広島・誠也弾だけの1点…3連敗で単独最下位転落、「誠也のあとが…」3戦連続1得点に佐々岡監督嘆き節

[ 2021年9月13日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1ー2巨人 ( 2021年9月12日    マツダ )

<広・巨>2回無死、左越えにソロ本塁打を放つ広島・鈴木誠(撮影・吉田 剛)
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 広島は12日の巨人戦で、2回に鈴木誠也外野手(27)が放った同点28号の1得点のみと沈黙して1点差で敗れた。この一発で菅野からは今季5戦連発へ伸ばしても、8回の好機で凡退するなど明暗が分かれた。3連敗で1日以来の単独最下位に転落。14日にも自力でのクライマックス・シリーズ(CS)進出の可能性が消滅する。

 菅野攻略に向けて幸先は良かった。0―1の2回先頭で鈴木誠が2ストライクからの内角直球を強振。その場で仁王立ちして見届けた打球は、左翼席後方の防球ネットに直撃する28号ソロとなった。「同点につながる本塁打になって良かった」と振り返る一発で菅野から今季5戦5発と打線を鼓舞。終わってみれば、この1点しか奪えず、佐々岡監督は「誠也のあとがつながらない」と頭を抱えた。

 勝敗を分けたのは、2番手・中川が登板した1―2の8回だった。先頭の野間が左前打で出塁すると、続く小園に代打が送られた。犠打で得点圏に走者を進めるため、3回に一発で犠打を成功させた小園ではなく、「仕掛けていくしかない」(佐々岡監督)と小技が得意で経験豊富な上本を選択した。

 しかし…。初球から2球連続でバントをファウル。作戦を切り替え、カウント2―2からの7球目で右飛に打ち取られて走者を進められなかった。続く西川の死球で2死一、二塁と好機を拡大しながら、鈴木誠、坂倉が凡退。鈴木誠は「最後の打席がダメなので…」と菅野攻略の余韻は完全に消えていた。

 河田ヘッドコーチは「小園も成長した選手ではあるけど、犠打以外でもカウントによっては上本の方が小細工ができる」と説明した。小園の代打交代は5月4日の巨人戦以来66試合ぶり。成長のことだけを考えれば、緊迫した場面を経験させる選択肢もあっただろう。実際に今季の犠打は成功8、失敗1と苦手にはしていない。一方で、8月31日のDeNA戦の1点劣勢の9回無死一、二塁でバントを失敗して敗れた経験もある。首脳陣は、成長への投資と目の前の1勝を天秤にかけた上で代打を決断したのだ。しかし、この一手さえも報われなかった。

 チームは1日以来11日ぶりに単独最下位に転落し、最短で14日に自力でのCS進出の可能性が消滅する。小園は2試合、坂倉は3試合連続無安打と若手にとっても踏ん張りどころだ。はい上がろうとする姿勢が今季にも未来にもつながっていく。(河合 洋介)

 《月間最多本塁打に期待》9月の鈴木誠(広)は11試合で6戦連発を含む9本塁打。自身月間最多本塁打は18年8月の12本。今月はまだ15試合を残し、更新の期待がかかる。菅野からは今季5本塁打。同一シーズン同一投手からの最多本塁打は王(巨)が62年小山(神)と64年金田(国鉄)、長嶋(巨)が63年小山(神)、松井(巨)が96年斎藤隆(横浜)から記録した7本がある。

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