興国 46年ぶり決勝決めた!延長14回に2年生中村がサヨナラ打「3年生の夏を終わらせるわけには」

[ 2021年8月1日 05:30 ]

全国高校野球選手権大阪大会準決勝   興国5-4履正社 ( 2021年7月31日    シティ信金スタ )

<興国・履正社>延長14回1死満塁、興国・中村はサヨナラ打を放ち笑顔を見せる(撮影・後藤 大輝)
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 勝利の女神を執念で振り向かせた。68年に全国制覇の経験がある興国が、19年夏の甲子園大会優勝校を激闘の末に下した。延長14回1死満塁。履正社の左腕・渡辺純太のスライダーを捉えた2番・中村莞爾(かんじ)の打球は右翼手の頭上を越えるサヨナラ打。一塁ベンチは歓喜に包まれた。

 「1番が申告敬遠されて気合が入った。単打でもサヨナラだから、気持ちを楽にして打席に入れた。手応えはありました」

 中学時代は生駒中央ボーイズで、奈良選抜にも選ばれた2年生。「これまでチャンスには凡退ばかり。でも、3年生の夏を自分が終わらせるわけにはいかない」と必死のミートで46年ぶりの決勝進出を呼び込んだ。

 同点の9回2死三塁、10回1死二塁、12回1死二塁と再三のピンチを踏ん張り、タイブレークに突入した13回も1点を奪われながら、その裏に暴投で追いついた。14回1死満塁で5番、6番を連続内野フライに仕留めた3番手左腕・大江遼也は「スキを見せずに投げ切れた。変化球が低めに決まった」と109球に力をこめた。

 春季大会4回戦で4―1で勝利した履正社を返り討ちにした。喜多隆志監督は智弁和歌山では97年全国制覇の主力で慶大―ロッテなどを経て、18年8月に野球部長から監督に就任した。「翌春に入部したメンバーが今の3年生。思い入れはある。最後まで気持ちで戦ってくれた」とたたえた。決勝の相手、大阪桐蔭には昨秋の大阪大会準々決勝で1―15で5回コールド負けした。ただ、当時とはチーム力が違う。もちろん、結果も変えてみせる。(鈴木 光)

 ≪渡部みせたスーパーキャッチ≫興国の渡部颯が流れを呼び戻すスーパーキャッチをみせた。7回、同点とされなおも2死満塁で片山幹人の左翼後方への飛球を背走キャッチしフェンスに激突。直後に倒れ込んだがボールは離さなかった。延長14回にはサヨナラの生還。喜多監督は「みぞおちを強打した。頭でなくて良かった。元々内野なので、フェンスの怖さを知らずに捕球に集中できた」と渡部の気持ちのこもったプレーに感動していた。

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