「令和の怪物」ねじ伏せたソフトバンク・柳田 先制弾&決勝打は自分への怒りが凝縮したスイング

[ 2021年6月25日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク7-2ロッテ ( 2021年6月24日    ZOZOマリン )

<ロ・ソ>初回2死、ソロ本塁打を放つ柳田(撮影・白鳥 佳樹)
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 貫禄だ。ソフトバンクの柳田悠岐外野手(32)が24日、ロッテ戦で“令和の怪物”をねじ伏せた。佐々木朗から初回、豪快な17号先制ソロを左中間へ。6回には中前へ決勝打。佐々木朗はこのあと、栗原に四球を出したところで降板した。9回には横山から18号ソロを放ち、今季初の1試合2発。本塁打争いの単独トップにも立った。

 真の敵は“令和の怪物”ではない。自分だ。己に怒りを覚えたままの柳田が自分の型にこだわった。

 「相手どうこうはなく、イメージもなかった。昨日、ふがいなくてイラだって寝れなかったんでね。悔いなく自分のいいバッティングをする気持ちだけ。それだけを考えた」

 3番DHで出場。初回2死で、佐々木朗との初対戦での初球だった。真ん中高めの153キロ直球を引きつけた後にすくい上げた。左中間席中段に飛び込む先制の17号ソロ。プロ11年目の“打の怪物”は若き怪物に、プロの洗礼を浴びせた。

 前日23日は、4打数無安打でチームも引き分け。8回1死満塁での最終打席は投ゴロだった。主軸として責任を背負い込んだ。その翌日、球界注目の19歳右腕とのマッチアップで、己との勝負に徹し結果を出した。

 前夜のうっぷん晴らしは、これだけではなかった。6回、2―2の1死三塁で佐々木朗との3度目の対戦。前の打席で凡退したフォークを5球連続で投じられたが、変化の弱い最終球を両腕のリストで叩いてライナーで中前に運ぶ決勝打。怪物は6回途中3失点で降板した。プロ初黒星は、柳田のバットで決められた。

 9回先頭では横山の外角直球を強振し18号ソロ。昨年9月10日の楽天戦以来の1試合2発だ。マーティン(ロッテ)を抜き本塁打争いでリーグ単独トップに躍り出たが「本塁打バッターじゃないので。波に乗れなかったので、ここからチームのためにやれたら」と落ち着いていた。

 今季8度目の猛打賞。侍ジャパンで東京五輪でも期待される柳田の発奮で、チームは3カードぶりの勝ち越し。2位に再浮上した工藤監督も、ご機嫌だ。「一番最初にギータが打ったのが大きかったね。昨日はかなり悔しかったみたいだし、少しスッキリしたんじゃないかな」。打線の勢いそのままに、25日からの楽天戦に臨む。

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