広島 10年ぶりの屈辱借金15 林の4番初打点が唯一の得点 佐々岡監督「負けが込んでいて申し訳ない」

[ 2021年6月25日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1-4ヤクルト ( 2021年6月24日    マツダ )

<広・ヤ>8回1死一塁、二塁ゴロ併殺打に倒れる広島・林(撮影・成瀬 徹)
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 広島は24日のヤクルト戦に1―4で敗れ、借金が2011年以来10年ぶりとなる「15」に膨らんだ。ヤクルト戦7連敗は1998年以来23年ぶり。3試合連続で先発4番起用された林晃汰内野手(20)は、2試合連続の無安打と“4番の重圧”を痛感。実戦復帰した鈴木誠は近日中の先発復帰が見込まれるだけに、中軸を担う2人の再タッグが待たれる。

 苦境を打開する糸口を見いだせないまま、借金は15にまで膨らんだ。65試合以内で到達したのは、最下位に沈んだ1972年以来49年ぶり。佐々岡監督は「負けが込んでいて申し訳ない。前を向いて元気を出して3連戦を戦っていきたい」と声を振り絞った。

 1得点に終わった貧打が、この日の敗因と言えた。ただ敗戦の中にあって林が4番としての執念を見せた。0―3で迎えた6回1死満塁。一ゴロに倒れたが、「絶対に点を取ってやるという気持ちだった」と一塁へのヘッドスライディングで併殺を免れ、4番初打点を挙げた。これがこの日唯一の得点だった。

 林は「4番の重圧」を痛感している真っ最中だ。4番に座る以前の打率・408に対し、3試合連続で務めた4番では計14打数2安打(打率・143)。それでも「(4番を)意識せず、まずは自分のスイングをしようと思っている。(攻め方は)厳しいと思うけど、やることは変わらない」と気持ちは折れていない。河田ヘッドコーチも「数字が残れば相手も研究してくる。レギュラーとして見ているので、あとは本人がどう克服していくか」と期待を寄せた。

 球団で高卒3年目以内の4番は、90年江藤智以来だった。その江藤も同3年目以内の4番成績は打率・200(55打数11安打)。この壁を乗り越えられた者こそが、その打順にふさわしい打者へと成長していくのだ。

 貧打解消へ、かすかな光明も差し込んだ。新型コロナのワクチンを接種し、副反応による体調不良が起きたとみられて23日に登録を抹消された鈴木誠が1日で再昇格。3試合ぶりに代打出場し、四球を選んだ。「(体調が)問題ないことはない。普通ではないことが起きた。それはもう仕方がないこと」と鈴木誠。まだ万全ではなく、徐々に体力を戻している段階と言える。

 主砲について指揮官は「いきなり先発というのはね。徐々に上げていってほしい」と無理はさせない意向。とはいえ朗報には違いない。鈴木誠が先発に戻った時、若き主砲候補・林との中軸形成が現状打開のきっかけとなるはずだ。(河合 洋介)

 《98年以来のヤクルト戦7連敗》広島のヤクルト戦7連敗は98年8~14回戦以来で、同年は1~7回戦の同一カード開幕7連勝後に貯金を全て吐き出す形となった。本拠地のマツダでは1分けを含む5連敗。09年の開場以降では12年の4連敗を更新するワーストとなった。

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