五輪メンバー不在のロッテ チームにとってプラス、それともマイナス!?

[ 2021年6月19日 08:15 ]

ロッテ・井口監督(撮影・椎名 航)
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 東京五輪で金メダルを目指す侍ジャパンの日本代表メンバーに、ロッテからは12球団で唯一、一人も選出されなかった。

 これまでの流れから、世界一に輝いた「プレミア12」の経験者が侍ジャパンの中心になると思っていた。ある意味では予想通りともいえた。

 ただ、今季の選手個々を見れば、ロッテから何人か選ばれても不思議はなかった。ここまでの中村奨吾のプレーぶりは充実している。リーグ5位の打率・303(6月18日現在)をマークし、打撃はしぶとく、追い込まれてからも粘って四球を選ぶこともできる。

 右打ち、バントといった自己犠牲を必要とするプレーも上手だ。バッテリーのマークが甘くなれば、盗塁を仕掛けられる走力も持つ。守備だって二塁が本職だが、三塁もこなせる。派手なプレーはなくても、チームの勝利に欠かせない存在なことは、担当記者として毎日見るとよく分かる。

 外から見るよりも、近くで見ると、すごさが分かる選手はどこの球団にもいる。かつて、日本ハム担当をしていたときの田中賢介もそうだった。中村奨のプレースタイルも、稲葉監督が好みそうに思った。

 リーグ3位の打率・306を誇る荻野の打撃力、走力も球界トップクラスだ。ただ、毎年故障がちなだけに、ここ数年の成績をトータルして選ぶとなると難しくなるのだろうか。確かに、中村奨も昨季後半は調子を落としていた。

 青学大時代にアトランタ五輪に出場した井口監督は「(五輪という舞台を)選手に経験させてあげたいという思いはあったので、残念ですね」と言った。過去にプロから五輪出場した経験者の中には、大会後、疲労などでパフォーマンスに反動が見られた選手もいたような印象がある。

 そういう意味では五輪期間中、他球団よりもじっくりと調整できる。「選出者なしがチームにプラスになるのでは?」と失礼な質問を井口監督に投げかけてみたが、予想と違う答えだった。「いや、分からないですよ。それでモチベーションが上がる人もいると思うので」と笑った。

 なるほど!大学生だった井口監督は国際舞台を経験してモチベーションを上げたのだな、と分かった。そう考えると、やっぱり、五輪代表をチームから輩出できなかったのは残念だったなと、あらためて感じた。(記者コラム・横市 勇)

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2021年6月19日のニュース