【イースタン期待の若手】西武育成3年目・中熊、森超え狙う「打てる捕手」

[ 2021年6月8日 05:30 ]

打てる捕手として支配下登録を目指す西武の中熊
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 西武の育成3年目・中熊大智捕手(24)が、「打てる捕手」を目指して奮闘中だ。一塁手での出場が主だった昨季は、イースタン・リーグで打率・295をマーク。今春キャンプでは初めてA班(1軍)に同行して、非凡な打撃センスを披露した。攻守でチームをけん引する正捕手・森友哉(25)の厚い壁を越えるべく、まずは支配下登録をつかむ。

 打てる捕手――。中熊は1歳上の大きな背中を追いかける日々だ。今春キャンプでは初めてA班入りし、正捕手・森の練習をつぶさに観察。「スイングスピードの速さ、フットワークの軽さ。打撃も守備も凄くうまい」と圧倒された。

 昨季は肩、肘のケガもあり、一塁手としての起用がメイン。「とにかく真っすぐを仕留める」と打撃のテーマを掲げ、イースタン・リーグで打率・295をマークした。プロ入り前の憧れは巨人・阿部慎之助(現巨人2軍監督)。昨年、ジャイアンツ球場で若手にバッティングの手本を見せる姿を目撃した。引退後にもかかわらず、スタンドに軽々と運んでおり「興奮しました。ずっと見ていましたね」と振り返った。

 寮では速報サイトを見ながら、接戦の試合を探してタブレットで視聴。「一発で逆転される中で、インコースを使うのはめちゃくちゃ難しい。“ここでいくか”と見て勉強しています」とリード面の研究も熱心だ。

 昨年8月29日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦で初アーチ。「ホームランボールは親に送ります」と宣言したが、直後に考えを改めた。「2軍だから、いいかなと。1軍での初ヒット、初ホームランボールを送りたいです」。その時のボールは今はもう、どこにあるか分からないという。

 「育成なので、とにかく支配下登録になって、今季中に1軍で初ヒットを打ちたい。そして、いつか森さんに追いついて追い越したい」

 育成ながら今季も2軍で37試合に出場し打率・241、0本塁打、15打点。支配下登録の期限は7月末。今季中に正真正銘の、プロの「証」を両親に送り届ける。(花里 雄太)

 ◇中熊 大智(なかぐま・だいち)1996年(平8)8月27日生まれ、熊本県菊陽町出身の24歳。九州学院では甲子園出場なし。徳山大では2年秋と4年春に中国六大学リーグで首位打者に輝いた。18年育成ドラフト3位で西武入団。1メートル74、87キロ。右投げ左打ち。

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