西武・若林を開花させた大人気漫画の主人公とは

[ 2021年6月6日 08:58 ]

西武・若林
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 西武のドラフト4位・若林楽人外野手(23=駒大)が、5月30日阪神戦の守備中に左膝を負傷。「左膝前十字靭帯損傷」と診断され、長期離脱が必至となった2日後、自身のインスタグラムで「気持ちの整理があまりつきませんが前を向いて成長あるのみ プラスになる時間だったと後で思える様に。」とつづった(原文ママ)。

 離脱時点で両リーグトップの20盗塁をマーク。そのうち、8個を次打者の初球に決めるなど、若きリードオフマンは強気な走塁が光っていた。しかし、本人は自らの性格を「あまりポジティブではない」と評していた。

 打率・156と、結果がついてこなかったオープン戦期間中。若林は、寮の自室で大人気バスケット漫画『スラムダンク』を読み返していたという。「1年目で自信をなくすこともあったけれど、桜木花道のように自信過剰なぐらいで試合に臨んだ方がいいのかなと思いました」。スラムダンクはバスケットボール初心者ながら、過剰なほどの自信をもつ主人公・桜木花道が、湘北高校バスケ部に入部後、驚異的な身体能力を武器に夏までのわずかな時間で、全国屈指の選手に成長するストーリーだ。

 「モチベーションになっていますね。桜木花道が一番好き。あのポジティブさが勉強になります。“天才ですから”というポジティブさがいいですよね」と若林。背中のケガが悪化した花道は、インターハイ終了後にリハビリに励み、「天才ですから」というセリフとともに物語は終わる。だが、ルーキー若林の野球人生は、まだ始まったばかりだ。長いリハビリ期間中には、また「スラムダンク」を読み返す機会もあるだろう。「花道シンキング」で再び縦横無尽にダイヤモンドを駆け回る日を心待ちにしたい。(記者コラム・花里 雄太)

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