甲斐 4年ぶり1試合2発!ソフトバンクが交流戦セ本拠地初勝利「ホームラン打って」母の願いかなえた

[ 2021年6月6日 05:30 ]

交流戦   ソフトバンク10―2阪神 ( 2021年6月5日    甲子園 )

<神・ソ>9回1死、甲斐はこの試合2本目となる中越えソロを放つ(撮影・大森 寛明)
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 ソフトバンクは阪神に快勝し連敗を4で止めた。甲斐拓也捕手(28)が甲子園で自身初本塁打。決勝の左越え6号2ランにダメ押しの中越え7号ソロで、4年ぶりの1試合2発をマークした。チームも5試合ぶりの2桁安打で、今季2度目の2桁得点と爆発。交流戦セ・リーグ本拠地で8戦目にして今季初勝利を挙げた。

 1―2の6回。甲斐は2ボールから伊藤将の141キロの直球を強振。放物線を描いた打球は左翼席に着弾し、虎党を静まりかえらせた。6試合ぶりの6号2ランが逆転劇を演出した。

 「狙っていたわけではないが、自分のスイングをできるようにと思っていた。逆転できて最高の結果になりました」

 9回にはバックスクリーンに運ぶ7号ソロでチーム10点目。甲斐にとっては17年7月19日の西武戦以来、4年ぶりの1試合2発だ。セ・リーグ本拠地で4点以上奪えていなかった打線の起爆剤となり、5月1日オリックス戦以来、今季2度目の2桁得点を刻んだ。

 女房役としても先発マルティネスを助けた。「しっかり会話してできた結果」と6回2失点。守備面でも貢献した。初回、近本が二盗を試みたが「甲斐キャノン」で刺した。セ・リーグトップタイ11盗塁を誇る近本の機動力を封じ、ピンチの芽をつみ取った。

 この日の朝、普段はあまり連絡を取らないという母・小百合さんから連絡が届いた。「頑張りなさい。甲子園でホームラン打ってきなさいよ」とLINE。「いつも見守ってくれていると思う。そういう日に打てて良かった」。タクシーの運転手とパチンコ店の清掃員をしながら、女手一つで育てた息子を気遣ってくれる母に届けた感謝のアーチだった。

 チームの連敗を4で止め、デーゲーム16連勝中だった阪神の「不敗神話」も止めた工藤監督は「拓也が良く打った。一気に逆転できたのは大きかった。(阪神打線を)バッテリーでしっかりと抑えてくれた」と攻守の活躍を褒め称えた。

 今季、セ・リーグ本拠地では8戦目にして初勝利。連敗中は指揮官からリード面で厳しい言葉が続いていた。正捕手として「責任を感じていた」という甲斐が逆襲への号砲を鳴らした。

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2021年6月6日のニュース