中日・与田監督「よく本当に勝ちきってくれた」球団8年ぶり8人継投で5割に再び王手

[ 2021年6月6日 05:30 ]

交流戦   中日6ー3オリックス ( 2021年6月5日    バンテリンD )

<中・オ>オリックスに勝利し、マウンドでハイタッチする中日ナイン(撮影・椎名 航)
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 決断は速かった。中日・与田監督が動いたのは3回だ。3点リード、しかも、まだ無安打無失点だった梅津を無死一、二塁で降ろした。2回0/3は自己最短。自己ワースト5四死球の制球難を見限り、「初回もああいう形だったので、早めにブルペンで準備してくれていた」と山本を投入した。

 山本は遊ゴロと四球で1死満塁としてから杉本、宗の中軸2人を2者連続で空振り三振。回をまたいだ4回は3者凡退に封じ、「何としても、ゼロで抑えるんだと必死に投げた。気持ちで勝負する 投手なので、体現できた」と1メートル67の小さな体で胸を張った。

 前回5月28日の日本ハム戦は2番手で2回を投げて4安打に4四死球で4失点。降格を覚悟した翌日、指揮官から「自信のある球をどんどん投げればいいんだ」と声をかけられた。その言葉を胸に刻み、3回の窮地は20球のうち15球が直球。自己最速151キロをマークするなど武器である剛球でねじ伏せた。

 4―3の8回2死三塁では福から谷元につなぐなど、5回以降も惜しみなく救援陣を投入。延長戦以外での8人継投は13年4月3日阪神戦以来、8年ぶりだ。好救援で今季初白星をつかんだ山本が「他のリリーフに感謝」と謙虚に話せば、交流戦8戦で早くも6セーブを挙げた又吉も「そういう場面で回してくれる野手と投手陣に感謝」と謙遜した。

 チーム防御率2・84は12球団唯一の2点台。交流戦の同2・85も同様だ。自慢の投手陣をフル稼働させ、勝率5割に再び王手をかけた与田監督は「よく本当に勝ちきってくれた」と満足顔だった。交流戦首位の秘訣(ひけつ)は、黄金期のような投手王国の復活にある。(徳原 麗奈)

 《球団記録は10人継投》中日は5日のオリックス戦で投手8人を起用。昨季11月6日ヤクルト戦の延長10回8人継投以来で、9回までに起用したのは13年4月3日阪神戦(中田賢―○岡田―H武藤―H山井―H小林―H小熊―田島―S岩瀬)の8人以来8年ぶりだ。ちなみに球団記録は66年9月18日巨人戦の10人で、プロ野球タイ記録。

 《又吉、交流戦6Sは単独トップ》又吉が今季6セーブ目。初セーブは5月25日のソフトバンク戦でマークしており、交流戦6セーブは単独トップ。交流戦が18試合制となった15年以降では、15年の福谷に並んでチーム最多となった。他球団も含めた最多は18年森(ソ)と19年松井(楽)の8セーブ。

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