大敗の阪神、攻守でミス連発にスタンドから怒号も 初の1試合3失策で今季39は両リーグ最多

[ 2021年6月6日 05:30 ]

交流戦   阪神2ー10ソフトバンク ( 2021年6月5日    甲子園 )

<神・ソ>大敗に力なく甲子園を後にする阪神ナイン(撮影・後藤 大輝)
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 阪神は5日のソフトバンク戦に2―10で敗れ、開幕から16勝1分けだったデーゲームに18試合目で初めて敗れた。今季初の1試合3失策を記録するなど攻守でミスを連発。首位快走中でも課題は解消されておらず、矢野燿大監督(52)にとっても苦い1敗だ。白星と黒星が交互に付く“オセロ状態”は16試合連続となり、20年DeNAと並ぶプロ野球史上最長となった。

 「昼トラ不敗神話」も、原因不明の「オセロ現象」にのみ込まれた。5回まで快投していた伊藤将が2―0の6回に3失点で逆転を許すと、終盤はミス連発で大量失点。開幕からのデーゲームの連勝は16で止まり、逆に5月14日から続く勝利、敗戦のオセロはプロ野球史上最長に並ぶ16試合まで伸びた。

 「難しい感じの打球ではないから、もちろん処理せなあかんと思うし。こういう結果になっているのは、俺らも選手も受け止めていると思うんで。それはもちろん試合の展開の中でそうなったと認めざるを得ないよね」

 直接の敗因は6回の3失点でも、矢野監督が指摘したように見過ごせないのが7回の2失点だ。この回に登板した小林が先頭の三森に四球。続く川島がバスターで叩きつけた三ゴロを大山がはじき、無死一、二塁とした。今宮の犠打で1死二、三塁から、栗原の投ゴロの間にまず1失点。なお2死三塁で、今度は柳田の遊ゴロを中野が一塁に悪送球し、この回は無安打2失策で2点を追加された。

 8回1死一、三塁でも、三森の中前適時打を処理した近本の返球が乱れ、三森を二塁まで進める失策。1試合3失策は今季初で、計39失策は最少19の中日の2倍以上となるリーグダントツの数だ。首位快走の陰に隠れてはいるものの、昨季まで3年連続12球団最多失策を犯した課題は解消されていない。

 攻撃でも近本が1、5回に19年以来、2度目の1試合2盗塁死。特に5回は1死二塁の走者として、投手が投げる前に飛び出してしまう痛恨ミスだった。ただ、矢野監督は反省点に挙げつつも積極性は責めなかった。

 「俺らの野球はそういう野球。アウトになった時は流れが向こうにいってしまうことも出てしまうけど、チャレンジするというところでは。もちろん反省するところもあるし、マイナスな部分はあるけど、それをとがめる野球をしたくない」

 試合終盤には今季の甲子園では珍しくスタンドから怒声が飛び、8回1死で佐藤輝が三振に倒れた直後に多くのファンが席を立った。厳しい1敗とはなったが、巨人も敗れて3・5ゲーム差は変わらず、首位は揺るがない。自信を失わず、次の戦いに挑むだけだ。(山添 晴治)

 《シーズン105失策ペース》阪神の1試合3失策は今季初で、昨季10月23日の巨人戦での5失策して以来。今季39失策は両リーグ最多で、シーズン105失策ペースになる。120試合制の昨季も両リーグ最多85失策で、143試合換算なら101失策。昨季よりペースが速い。

 《6日勝てば“最長オセロ”》阪神はソフトバンクに敗れ、開幕から続いていたデーゲームの連勝が1分けを挟む16でストップした。これは2リーグ制以降では50年の中日に並ぶ最長記録で、開幕からは単独最長。一方で5月14日の巨人戦から続く、勝ち負けが交互の“オセロ状態”を16試合に更新。昨季DeNAが6~7月にかけて記録したプロ野球記録に並んだ。6日のソフトバンク戦に勝てば記録更新で単独最長となる。チームは今季日曜日9戦9勝。12球団全体でも開催数の少ない月曜日を除けば、曜日別無敗は日曜日の阪神だけだ。

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