ソフトB・石川、今季投手陣最長8回を2失点8K パワーカーブ復調、“天敵”西武・高橋と堂々投げ合い

[ 2021年5月8日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク2―2西武 ( 2021年5月7日    ペイペイD )

<ソ・西>ソフトバンク先発の石川(撮影・中村達也)
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 ソフトバンク・工藤監督の言葉が、試合の全てを物語る。「何も言うことがないナイスピッチング。石川君を勝たせてあげたかった」。今季チーム投手陣最長となる8回を投げ、4安打2失点と奮闘した右腕に賛辞を送った。相手先発、高橋にチームは2年以上勝てず、8個の白星を献上している。石川は“鷹の天敵”と堂々と投げ合い、負けなかった。

 「結果的にチームを勝たせることができなかったのは、反省しないと」。責任を背負った石川だが、責めることはできない。

 初回からエンジン全開だ。3者連続三振でスタートを切った。2回は一転して、松田の失策が絡み無死満塁の大ピンチ。ここでさらにギアを上げた。スパンジェンバーグを三振、愛斗を二飛。山田には直球3球勝負。三ゴロに仕留め、松田のミスを帳消しにした。開幕投手の意地と貫禄があった。工藤監督は「マッチを助けてくれた。あそこで助けられるのはピッチャーしかいない。よく粘ったと思う」と褒め称えた。

 「テンポ良くアウトを取ることができた」と石川。本来のパワーカーブが戻ってきた。今季最多8奪三振のうち、4三振はパワーカーブ。バロメーターとなる球種だけに指揮官は「しっかりカウントも空振りも取れていた。今まで苦労していたが、修正して投げることができた」とひと安心の表情だ。

 崩れる雰囲気がなかっただけに、本塁打での失点が惜しまれる。2点リードの4回、山川にソロを浴び1点差。そして7回先頭の栗山への初球。高めに浮いた直球を左中間スタンドまで運ばれた。「不用意に投げたわけではない。ただ、ホームランでの失点を何とか防ぎたかった」。1―2で敗れた4月16日の西武戦の決勝点も、ソロ本塁打だった。余計に悔いが残る。

 工藤監督は「野球は面白いと同時に難しいですね。いい1週間を過ごして頑張ってほしい」と右腕をねぎらった。開幕戦以来の白星は付かなかった。それでも首位の楽天に0・5差に迫り、天敵・高橋を追い詰め、ナインとファンがうなずく投球だった。

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2021年5月8日のニュース