国学院大・山本ダンテ武蔵はなぜ、覚醒したのか

[ 2021年5月6日 15:41 ]

東都大学野球・第6週第1日   国学院大2―1立正大 ( 2021年5月6日    神宮 )

<国学院大・立正大>初回1死三塁、同点の適時打を放つ国学院大・山本ダンテ武蔵(撮影・河野 光希)
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 首位の中大を追う2位の国学院大は立正大を2―1で下し、優勝へ望みをつなげた。今リーグトップタイの4本塁打を誇る3番・山本ダンテ武蔵外野手(4年)は「3番・DH」で先発し、2安打1打点で勝利に貢献した。

 1点を追う初回。1死三塁のチャンスで山本ダンテは内角のシュート系のボールを引っ張り、左前へ同点打を放った。

 「(1番の)山崎晃が塁に出たら点が入るというルーティンみたいなものがある。この打席もいけるだろうと強い気持ちを持って打席に入った」

 流れを掴んだチームは2回に相手の失策で勝ち越すと、固い守りで1点リードを守りきった。
 
 リーグ戦9試合で13打点は現在リーグ1位。「打点をあげることに一番重きを置いている」の言葉通りの数字だ。抜群の勝負強さで2010年以来、2度目の優勝を目指すチームをけん引している。
 昨秋までの通算成績は28試合で打率・210、1本塁打、7打点。大阪桐蔭で2度甲子園に出場した右の長距離砲としては物足りない成績だった。だが、最上級生となった今シーズンはこれまでの通算成績を1シーズンで超える4本塁打、13打点の大活躍。急成長の要因は肉体とスイングの改造にあった。

 「前までは(バットを)上から出すイメージだったが、レベルスイングにして、どのコースに来ても対応できるスイングづくりを心がけてきた。リーグ戦の打率が上がらなくて試行錯誤した結果、行き着いた」

 昨秋の時点に比べ、体重は約10キロも増量し、92キロ。「前まで10割で打っていた力が8割で発揮されるようになった。8割のスイングをしていくことで、力みなく捉えていける」

 確実性が増したことで覚醒した男は現在、青学大のスーパー1年生・佐々木泰と4本塁打で並ぶが「(意識は)全くない。チームが苦しいときの打点が一番“よし”と思う」。残り3試合。バットで逆転優勝に導く。(柳内 遼平)

 ◆山本ダンテ武蔵(やまもと・だんて・むさし)2000年(平12)3月16日生まれ、広島県出身の21歳。大柿スポーツ少年団で野球を始め、大阪桐蔭では4番を打ち、3年春のセンバツで優勝。同年夏は3回戦で仙台育英に敗れた。高校通算15本塁打。50メートル6秒0の俊足も武器。1メートル74、93キロ。右投げ右打ち。 

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