阪神・佐藤輝 プロ初左方向に9号 また歴史塗り替える 新人左打者史上最速10号王手

[ 2021年5月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神11ー5ヤクルト ( 2021年5月4日    神宮 )

<ヤ・神(6)>9回1死、佐藤輝は左越えにソロ本塁打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 猛虎主催の神宮花火大会だ!阪神は4日、4本塁打11得点でヤクルトを破り、今季3度目の4連勝で2位・巨人との差を3・5に広げて首位固めを推進。9回、ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)が初の左方向への一発となる9号ソロで本塁打攻勢を締めくくり、25打点はリーグトップタイに立った。新人左打者ではプロ野球史上最速となる10号到達も視界にとらえた。

 この日のチーム4本目のアーチは高々と舞い上がって無人の左翼席ではねた。マルテ、中野、サンズに続き、佐藤輝が大トリを務めた。2試合連続となる9号ソロ。開幕から31試合目で、早くも2桁10号へ王手をかけた。

 「打った瞬間は、わからなかったんですけど、(スタンドに)入って、追加点になってよかったです」

 猛攻の波に乗った。目の前でサンズが8号2ランで10点目をたたきだした直後の9回1死無走者。杉山が投じた3球目、外角低めの131キロフォークを逆方向へはじき返した。左方向への一発は、9本目にしてプロ初。規格外のパワーが生み出した一撃と言えた。

 8回の第4打席では右脇腹付近にプロ初死球を受け、苦もんの表情を浮かべた。だが鋼の肉体は時速141キロの硬球を受けてもビクともしなかった。まさに鉄人…いや超人。2日の広島戦(甲子園)に続く2試合連続のアーチで25打点。巨人・岡本和に並び、リーグトップに躍り出た。

 またも球史に、その名を刻みそうだ。これまでの新人左打者の2桁本塁打到達の最速は84年の小早川毅彦(広島)の53試合。佐藤輝は22試合もの猶予を残し、リーチをかけた。ここまで31試合9発の量産ペースから考えれば「新人左打者プロ野球史上最速」更新はなったも同然。加えて35試合目までに到達すれば03年の村田修一(横浜)を抜き、「ドラフト新人史上最速」の称号も手にする。

 この日は第1打席でも左前打を放ち、3試合連続のマルチ安打も記録。打率・261と調子は右肩上がりだ。矢野監督も「1打席目かな。安打がしっかり出ているのもいいし、打率もちょっと上がってきたんで。そういうところでは、またこう自分の中でも乗っていける一日というか、一本になったんじゃないかな」と目を細めた。

 チームは今季3度目の4連勝で、2位・巨人との差を3・5に広げた。デーゲームは今季12戦全勝で、ヤクルト戦6連勝と勢いはとどまるところを知らない。その中心にいる佐藤輝は「ずっとルーキー、若手でチームを盛り上げて行けているのはいいなと思います。誰かが凡退しても、誰かが打つのが続いていて、そういうことが今できているので勝てていると思う」と言葉に力を込めた。(須田 麻祐子)

 ○…佐藤輝(神)が9回に杉山から9号ソロで、史上57人目の新人2桁本塁打にリーチ。現在チーム31試合目。きょう打てば2リーグ制以降では59年桑田武(大洋)の27試合目に次いで、50年戸倉勝城(毎日)の32試合目に並ぶ2番目のスピード到達になる。なお過去の左打者最速は84年小早川毅彦(広)の53試合目で、順調なら大幅な記録更新が見込まれる。

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