阪神 49年ぶり新人アベック弾 ドラ6中野1号&佐藤輝9号 ドラ6以下では沖原&藤本以来20年ぶり

[ 2021年5月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神11ー5ヤクルト ( 2021年5月4日    神宮 )

<ヤ・神(6)>8回1死二塁、プロ初本塁打を放ち、佐藤輝(左)の祝福に笑顔の中野(撮影・北條 貴史)
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 捉えた快音と、着弾の衝撃音が24歳の耳に心地よく響いた。阪神・中野が、8回にプロ1号となる右越え2ラン。狙い通りの会心の一打は、記念のアーチという最高の結果になった。

 「速い球とは聞いていたので、そのまっすぐを仕留めることに集中して打席に入った」

 1点優勢の8回1死二塁で迎えた第4打席だった。右脇腹に死球を受けた佐藤輝を二塁に置き、左腕・坂本の内角高め144キロ直球を強振。「感触的には非常に良かったので、あとは入ってくれという願いを込めて」と見つめた白球は右翼スタンドで力強くはねた。

 「早くタイミングを取って、いつでも振りにいける準備をしている」。プロの速球に対応するため自身に植え付けてきた意識通りバットを振り抜いた。9回も遊撃への内野安打で4月11日DeNA戦以来となるプロ2度目の猛打賞も記録した。

 ドラフト6位以下のルーキーの一発は、01年の沖原(6位)と現内野守備走塁コーチの藤本(7位)以来、実に20年ぶり。タイムリーどころか、点差を3点に広げる殊勲の1本で、チームの4連勝とデーゲーム12連勝を決定付けた。矢野監督も「左ピッチャーの、あの高めのところをしっかり打っていけるのは中野の魅力。最高の場面で、1点でというところを2点にしてくれた」と目を細めた。

 9回に9号ソロを放った佐藤輝とは72年の望月&中村勝以来2リーグ制以降4度目となる球団新人のアベック弾。「(佐藤輝とは)タイプは違うので自分のスタイルを貫こうと信念がある」と冷静に自己分析したが、この日ばかりは相棒の“専売特許”であるアーチでチームに貢献した。

 「自分で持っておくのもあれなんで、両親に贈りたい」。手元に戻ってきたボールの重みは、プロでやっていく確かな手応えに変わったはずだ。(遠藤 礼)

 ○…ドラフト6位新人の中野(神)が8回、坂本からプロ1号の2ラン。阪神でドラフト6位以下の新人の本塁打は01年の6位・沖原佳典(4本)、7位・藤本敦士(1本)以来20年ぶり。

 ○…9回には同期入団の佐藤輝が9号ソロ。新人2人の本塁打は19年の近本(9本)と木浪(4本)以来2年ぶりだが、同日のアベック本塁打は72年5月30日、大洋戦の望月充と中村勝広以来49年ぶり、2リーグ制以降チーム4度目だ。

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