阪神・近本 “例年通り”の上昇カーブで首位固め引っ張る!「迷惑をかけた分、これから先頭に立って」

[ 2021年5月4日 05:30 ]

5月反攻へ燃える近本。虎の勢いをさらに加速させる!
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 さあ、首位固めへ――。阪神・近本光司外野手(26)が5月反攻を力強く宣言した。打率・222に低迷した3、4月を終え、昨季同様の反転上昇へ力を込めた。4日からは敵地・神宮球場で3位・ヤクルトと2連戦。不動のリードオフマンとして本来の姿を取り戻し、16年ぶりのリーグ制覇を目指す猛虎の勢いをさらに加速させたい。

 3連勝で今季最多タイの貯金12。猛虎は最高潮の状態で、5ゲーム差を付ける3位・ヤクルトの敵地に乗り込んだ。順調に首位固めが続くゴールデンウイークは後半へ突入。近本がチームをさらに加速させることを誓った。

 「本当に、この1カ月間は、(個人として)苦しい状況が続いていたんですけど。それでも、チームが勝って、首位に立っているので。1カ月迷惑をかけた分、これからしっかりチームの先頭に立って、得点を奪えるプレーをしていきたいと思います」

 3月5試合は打率・045で滑り出し、4月に入ってからも、しばらく1割台をさまようなど、苦しい時期を過ごした。幸いにも、後ろを打つ2番・糸原ら好調なチームメートたちが不調を補う活躍をしてくれたこともあり、同じくスロースタートだった昨季とは違ってチームは首位を快走中だ。もちろん、いつまでも甘える気はない。今季から選手会長を担う立場として、巻き返しへの力強い思いを言葉に乗せた。

 5月初戦だった2日の広島戦は、今季2度目の猛打賞となる3安打を放ち、2盗塁で3得点。佐藤輝の満塁弾を呼び込むなどチャンスメーカーとしての役割を果たし、「しっかり得点というのを意識しながら塁に出られたのは良かった」とうなずいていた。開幕から30試合目で今季最高の打率・240まで上げるなど、黄金週間まっただ中で上昇の気配は十分。それを裏付ける傾向もある。

 プロ1年目だった19年は5月25試合で打率・283。開幕延期で5月に公式戦がなかった昨季も、2日の広島戦と同じく出場30試合目だった7月26日中日戦で4安打の固め打ちを見せ、それまで1割台と苦しんでいた不振から脱出した。2日の活躍は同じように出遅れを取り返す予兆と見ていい。

 新人の佐藤輝の躍動はあっても、16年ぶりのリーグ優勝には、近本の完全復調が欠かせない。4日からはヤクルト2連戦。神宮球場は計1安打に終わった開幕3連戦以来だ。「5月反攻」へ、のろしを上げる場所としては、ある意味、最もふさわしい。(阪井 日向)

 ▽開幕ヤクルト3連戦の近本 すべて「1番・中堅」でフル出場。3月26日(○4―3)は5打数無安打。27日(○9―5)は初回に中安打を放ち、大山の犠飛で決勝点となる先制の本塁を踏んだ。5打数無安打だった28日(○8―2)は5、9回の内野ゴロで前の走者と入れ替わる形で塁上に残り、後続の安打で生還。3連勝で好発進した中、15打数1安打の打率・067に終わった。

 《2割乗せは2年連続13試合目》近本(神)はスロースターターの傾向があり、昨季も今季も開幕3連戦で1安打のみ。初めて打率が2割に乗ったのは、2年連続で13試合目だった。6月19日開幕の昨季は35試合目で8月に入り、同月は自己最高の月間打率・352をマーク。以降は調子を落とさず打率・293でシーズンを終えている。

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