千葉学芸の二刀流・有薗直輝が初優勝に貢献 初戦は顔面死球で退場も復活「新しい歴史つくれた」

[ 2021年5月4日 17:19 ]

春季高校野球千葉県 決勝   千葉学芸8―2専大松戸 ( 2021年5月4日    千葉県野球場 )

<高校野球春季大会千葉決勝 専大松戸・千葉学芸>1回1死三塁、千葉学芸・有薗は先制となる右中間適時二塁打を打ちガッツポーズ (撮影・西川祐介)
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 千葉学芸がセンバツに出場した専大松戸を8―2で下し、春、夏、秋通じて初の千葉県制覇を成し遂げた。

 投手としては最速148キロで三塁手としては高校通算57本塁打の二刀流・有薗直輝(3年)は先制打含む2安打1打点で優勝に貢献した。

 「秋に(準々決勝で専大松戸に)負けてから、千葉制覇の目標を掲げてやってきた。達成できてほっとしている。皆で千葉制覇をすると言い続けてきた。新しい歴史を作れてよかった」

 専大松戸のプロ注目のサイド右腕・深沢鳳介(3年)は登板せず、注目の対決は実現しなかったが、左右に長打を連発した。

 初回は1死三塁から高めのスライダーを右中間へ運ぶ先制の適時二塁打を放ち「スライダーを待っていた。しっかり逆方向に打てて良かった」

 3―2で迎えた6回は高めの直球を弾き返した。弾丸ライナーで左翼フェンスに直撃する二塁打を放ち、後続のヒットでホームを踏んだ。貴重な追加点につながった一打を「投手(2番手の中館)も良い球だった。負けないぞという気持ちで自分のスイングをした。高めの直球は好きなので、打ててうれしかった」と振り返った。

 千葉の頂点を目指して挑んだ春は波乱のスタートだった。4月25日。県大会初戦となる2回戦の2打席目、腕に受けた死球が左目にも当たり、途中交代。病院に救急搬送され、次戦は絶望的かと思われた。

 だが、5日後の3回戦に出場。鼻は曲がり、目の腫れは引かない状況に高倉伸介監督は「無理をさせる必要はないんじゃないかと思った」と大事を取る考えだったが、本人は「自分が出ないとチームも盛り上がらない。勝ちたかったので志願した」と勝利にどん欲だった。

 関東を代表するスラッガーへのマークは厳しい。復帰した3回戦、決勝でも死球を受けたが「厳しいコースは来るが、負けないように」と引かない。悲願の優勝を成し遂げ、次は各県の強豪が集う関東大会(5月15日開幕、山梨)。「しっかり自分たちの野球をして勝ちたい。夏に向けて良い経験をしたい」。初の大舞台に挑む怪物の投打に目が離せない。(柳内 遼平)

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2021年5月4日のニュース