阪神・佐藤輝、きょう、君は、伝説になる! 初の巨人戦で一発デビューなら2リーグ制後の球団新人では初

[ 2021年4月6日 05:30 ]

3月27日のヤクルト戦で、プロ初本塁打を放ち、カメラに向かってポーズを決める佐藤輝明(左)。右はジェフリー・マルテ。(撮影・大森寛明)

 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)が、6日の巨人戦で先発復帰することが濃厚になった。甲子園開幕で、最初の伝統の一戦。本塁打すれば、いずれも球団新人初の快挙だ。0・5ゲーム差で2位に付ける宿敵を迎え撃つ首位攻防戦。初対決でアーチをかけたオープン戦の再現はなるか――。

 甲子園開幕戦で、相手は9年連続負け越し中の巨人。ド派手に暴れ回る舞台は整ったと言っていいだろう。佐藤輝は公式戦では初の伝統の一戦に向けて力強い決心を、言葉に込めた。

 「一番の敵だと思いますし、上にいくためには勝たなければいけない相手だと思うので。しっかり自分のプレーに集中して、チームの勝ちに貢献したいです」

 仕切り直しにも最適のタイミングだ。打率・129、2本塁打、4打点。4日の中日戦では開幕9試合目で初めて先発を外れ、定位置だった「6番・右翼」に入った陽川からは決勝打が生まれた。代打ではバットを折りながら右翼へ大飛球。9打席連続無安打はオープン戦でも経験のない、最も長い停滞だ。

 試合のなかった5日を挟み、6日の予告先発は右腕のサンチェスとあって先発復帰は濃厚。矢野監督にも「テルもね、1回(先発で)出られへんって形で、またどうなるかというのも見てみたい」と反骨心を期待された。

 虎党が願うのは、大型スラッガーの豪快なアーチに他ならない。甲子園でのシーズン初戦、そしてシーズン最初の巨人戦ともに、2リーグ制となった1950年以降の球団新人で本塁打を放った選手はいない。そんな快挙も、ここまで4安打のうち2本が本塁打の背番号8なら…と期待を抱かせるだけの潜在能力を見せつけてきた。

 巨人との初顔合わせだった先月14日のオープン戦では同じ甲子園で左腕・高橋から左翼ポール際に打ち込んだ。ファウル判定がリクエストで覆る決勝弾。宿敵にあいさつ代わりの一発だった。

 チームとしても昨季は巨人に8勝16敗の大苦戦。優勝争いの最大ライバルで、今季を占う大事な初激突だ。

 「今までとは違う雰囲気だと思いますし、しっかり、その雰囲気を楽しんで。甲子園に来られるファンの皆さんの前でいいプレーができるように頑張りたいと思います」

 甲子園球場のある西宮市出身。幼少期には観客席から応援していた。プロとして聖地を揺るがす時が訪れた。 (阪井 日向)

 ▽佐藤輝のG倒弾 3月14日の甲子園球場で初顔合わせ。4回2死、カウント1―1から左腕・高橋の真ん中低めの速球を左翼ポール際へ打ち込んだ。ファウル判定に対して矢野監督がリクエスト。3分を超えるリプレー検証の末に本塁打へ覆った。巨人戦とのオープン戦初戦での本塁打はドラフト制新人では球団史上初めて。巨人・原監督に「手ごわい相手になるだろうね」と言わせた。1―0で決勝弾にもなり、「優勝するためには絶対に倒さないといけない相手」と言い切った。

 ○…2リーグ制以降、阪神新人選手の“甲子園開幕戦”での本塁打はなく、最速は56年大津淳がシーズン開幕カードの広島戦で打った2試合目。次いで69年田淵幸一と19年近本の3試合目。また、シーズン最初の巨人戦での新人本塁打も出ておらず、こちらの最速は69年田淵の2試合目。

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