日本ハム・池田 開幕ローテ有力 移籍初先発で3回無失点

[ 2021年3月14日 05:30 ]

オープン戦   日本ハム1―3広島 ( 2021年3月13日    マツダ )

<広・日>先発の池田(撮影・奥 調)
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 吐きそうだった。それでも、ボールを自在に操った。移籍初先発となった日本ハム・池田はマウンド上で空気を支配していた。「めちゃくちゃ吐き気がしました。(広島の)応援も凄かったけど、落ち着いて投げられた」。自身も認めるとにかく緊張するタイプ。ただ、投手としてのメンタルは崩れなかった。

 初回、先頭の田中広をフルカウントからシンカー気味に沈むフォークで空振り三振。2死後、鈴木誠、西川に連打されても松山を140キロ直球で中飛に打ち取った。予定の3回を2安打無失点。「変化球が一番の見せどころだった。それが目的だったのでよかった」。吐き気も消えた登板後には笑顔をのぞかせた。これで今春は楽天在籍時から対外試合12イニングで防御率0・00だ。

 6つの持ち球を全て投じた41球。オフに磨いた成果を実戦で披露した。創価大の先輩のソフトバンク・石川に誘われ、千賀らと行った自主トレ。プロ4年間でわずか1勝の右腕は「わらにもじゃないけど、すがる思いで行ったところはある」。そこに参加していた「プロウト(プロの素人)」評論家・お股ニキ氏の助言で全ての変化球を見直した。「ただ落とすよりシンカー気味に落とす」ようにしたフォークなど、着実にアウトを重ねた。

 バーヘイゲンら外国人が来日不透明。先発の駒不足を解消するため、キャンプ終盤の緊急トレードで楽天から加入した右腕は驚きとともに期待も感じた。それに応える3回無失点。栗山監督は「凄い緊張の中で自分の形で投げられるのはいいこと」と評価した上で、開幕ローテーションについて「可能性は十分」とした。開幕前の最終登板となる次回は5回の予定。そこで池田は先発枠を確実につかみ取る。(秋村 誠人)

 ▽お股ニキ氏 本名、生年月日などは非公表。本格的な野球経験は中学の部活動まで。15年にダルビッシュ(当時レンジャーズ)に関してつづったツイートが偶然、本人の目に留まったのをきっかけに親交がスタート。ツーシームを助言した際には「お股ツーシーム」として公認されるなど「プロウト」としての道が開けた。データと長年の観察で養われた「感覚」をミックスして分析。投手においては、質の良いフォーシームと、「スラット(スラッター)」と呼ぶスライダーとカットボールの中間の性質を持つ球を磨くことを推奨する。

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2021年3月14日のニュース