「会沢さんの一言で変わりました」 コイ投を強気に導く広島・会沢の言葉力とは

[ 2021年3月13日 09:00 ]

広島・会沢
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 広島・会沢翼捕手(32)の言葉には、人を変える力がある。沖縄春季キャンプでのことである。ドラフト1位・栗林(トヨタ自動車)に「マウンドでおどおどしていたら周りに影響する。堂々と自信を持って投げるように」と伝え、同3位・大道(八戸学院大)には「良い球だから自信を持っていい。思い切ってゾーンに投げてこい」と腕を振ることを求めた。技術以前に気持ちの重要さを新人投手に説いたのだ。

 この助言が背中を押した。大道は、直球主体で攻め続けるスタイルに迷いがなくなった。「会沢さんの一言で変わった。思い切っていける感じがします。会沢さんの最初の一言がなければ、もしかしたら弱気になって制球とかを意識していたかもしれないですね」。大道は首脳陣から投げっぷりの良さを評価されて、勝ち継投入りに名乗りを上げている。会沢の訓示がなければ、現在の好成績もなかったかもしれない。

 これまでも若手投手に気持ちの強さを求めてきた。19年、当時高卒2年目の遠藤が4番打者への内角直球に首を振り、外角変化球にうなずいたことがあった。「逃げたのだとしたら、それはやめよう。打たれてもいいんだよ。遠藤の責任じゃない。俺のせいだから。攻めて勉強しよう」。投手陣に四球が増えれば「思い切ってやるしかない。逃げた四球はやめてくれ」と何度も伝えてきたと言う。

 7日のヤクルトとのオープン戦では、森下と昨季7月31日の巨人戦以来となる先発バッテリーを組んだ。初回に投じた10球中9球で直球を要求して3者凡退に導いた。まずは思い切り腕を振っての直球を――。他の若手投手と同じく、森下にもリードを通してメッセージを伝えているように見えた。(記者コラム・河合 洋介)

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2021年3月13日のニュース