【21年版・球界“新”士録】オリックス・ドラ6阿部 家族に雄姿を…オールドルーキーの覚悟

[ 2021年1月27日 08:30 ]

家族のために活躍を誓ったオリックス・阿部
Photo By 代表撮影

 オリックス・阿部には、負けられない理由がある。球団新人史上最年長の28歳。恵未佳夫人(32)への恩返し、そして3歳の長女・純麗(すみれ)ちゃんに父の雄姿を見せるためだ。

 「父親がプロ野球選手と、娘がはっきり分かる年になるまで現役としてやっていたい。子供が自慢できるような父親になれることが一番だと思うので」

 家族の存在が最大のモチベーションだ。新人で唯一入寮せず、新人合同自主トレを行う大阪・舞洲の球団施設まで、吹田市内の自宅から約1時間かけて車通勤。4歳上の愛妻は夫のプロ入りを機に専業主婦となり、食事面など全力でサポートしてくれる。幼い娘はおぼつかない手つきで一生懸命、自身の似顔絵を描いてくれる。「よく“パパを描くね~”って、絵を描いてくれます。まだまだ絵になっていないですけどね」と照れながらも原動力となっている。

 最速151キロ右腕の最大の武器が、新人離れした経験値。日本生命で6年も腕を磨き、19年には社会人日本代表として、アジア選手権に出場。スーパーラウンド第2戦の韓国戦で5回3失点10奪三振の力投で勝利投手になるなど、日本の準優勝に貢献した。国際舞台でも物おじしない強気な投球が持ち味だ。

 「社会人の時から、テレビでプロ野球がやっていると、娘は“これパパ?”って聞いてきていたんですよね。早く僕が、あのマウンドに立って“パパだ!”って言ってもらいたいですよね」。山岡や山本をはじめ若手が台頭する投手陣で、オールドルーキーが強烈な存在感を放ってみせる。(湯澤 涼)=終わり=

 ◆阿部 翔太(あべ・しょうた)1992年(平4)11月3日生まれ、大阪府出身の28歳。中泉尾小で軟式野球を始め、大正東中で所属した大正シニアでは捕手。酒田南(山形)では2年夏に捕手として甲子園に出場し、その後は投手に転向した。成美大(現福知山公立大)を経て日本生命に入り、2年目に日本選手権出場。1メートル78、78キロ。右投げ左打ち。

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