阪神・藤浪 “原点”のワインドアップ解禁 完全復活へ試行錯誤「勢いがついたり、タイミングが合うかな」

[ 2021年1月26日 05:30 ]

ブルペンでワインドアップで投球練習をする藤浪晋太郎=鳴尾浜球場 (代表撮影)
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 阪神の藤浪晋太郎投手(26)が25日、鳴尾浜球場でブルペン入りし、ワインドアップの新フォームを披露した。捕手を座らせて72球を投じると、周囲の評価は上々。春夏連覇を成し遂げた大阪桐蔭時代、そして19年にも試みていた“振りかぶり”を解禁した。先発としてフル回転を期す今季。逆襲へ向けた決意表明でもあった。

 今年から新調したパープルのグラブが頭上で映える。1メートル97センチの藤浪が、より大きく見えるのは気のせいではない。21年、公の場で見られた初めてのブルペンで披露したのはワインドアップだった。

 「振りかぶって投げれるなら、今年振りかぶって投げようかなと思ってます」

 新フォームへの挑戦を静かに宣言した。近年のシーズン中はセットポジションで投球。だが、春夏連覇を達成した大阪桐蔭時代に駆使していたように、振りかぶる動作は藤浪晋太郎にとっての「原点」と言える。19年も同じく1月からキャンプ中にかけて、ワインドアップに着手。定着を図ったが、実戦を経るごとに修正を余儀なくされ、最終的にはノーワインドアップ→セットに落ち着いた。

 2年ぶりの“回帰”には「(振りかぶれば)勢いがついたり、リズム、フォームのタイミングが合うかなと思ってるので」と意図を説明。一方、セットポジションに比べ動作が多くなるため癖が出やすい短所もあるだけに「今後決めていけたら」と含みを持たせた。実戦登板でも継続するかはキャンプ期間中に判断する。

 言うまでもなく、ボールの質を高めるための決断だった。過去にあったフォームの迷いによる試行錯誤とは、意味合いが違う。すでに捕手を座らせて複数回のブルペン投球を実施。この日も栄枝のミットをめがけ、変化球も交えて72球を投じた。仕上がりの良さは一目瞭然。見守った平田2軍監督からも「相変わらずボールの迫力は圧倒される。お前の顔を見るのはこれで最初で最後やろって言って」と絶賛された。

 「ある程度、ボールも(指に)つかまってますし、良い感じ。球質とか、クイックとか(今後は)やらないといけないけど、全体的には良いラインが出てる」。昨季の中盤以降につかんでいるフォームの連動性などの手応えに加え、振りかぶることでさらなるグレードアップを目指していく。

 「(沖縄では)結果を出さないといけない立場。アピールするのは前提で“これならやっていける”というものを出せるように」

 順調に調整を進めており、完成形まであと一歩。“振りかぶる藤浪”は逆襲の号砲だ。 (遠藤 礼)

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