阪神タイガースWomen山本 関学大準硬式野球部唯一の女子部員の誇りを胸に目標は「日本一」

[ 2021年1月25日 09:00 ]

 「阪神タイガース Women」の山本涼香(阪神球団提供)
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 男子とともに腕を磨いてきた自負がある。今年から始動する女子硬式野球クラブチーム「阪神タイガース Women」の山本涼香(すずか)内野手(21)。関西学院大準硬式野球部唯一の女子部員としてプレーする現役女子大生だ。

 「阪神タイガース Women」が創設されることを男子部員から教えてもらい、すぐに応募した。動画による一次選考、実技の最終選考を突破。「小学校の時につくったライフプランで“プロ野球選手になる”と書いていました。同じユニホームを着られてうれしいです」。20日の入団会見では伝統ある阪神と同じデザインの縦じまのユニホームに袖を通し、甲子園球場で集合写真に収まった。

 山本は父の影響で野球を始めた。「3歳くらいからバットとボールを持って父と一緒に公園で野球をしていました」。男の子に混じって小2時にチームに入団し、中学はボーイズリーグのチームに所属。その後、強豪・福知山成美の女子野球部に入部。50メートル走7秒4の俊足、遠投80メートルの強肩を生かし正遊撃手として2度の全国4強に貢献した。

 進学した関西学院大で野球を続ける気はなかったという。「高校で完全燃焼したので“華の大学生活”を送ろうと思っていましたが、完全燃焼できず、それが心残りで結局野球をすることにしました」。当初は準硬式野球部に選手ではなく、マネジャーとして体験入部したが、先輩部員から「選手でやったらええやん」と何気なく掛けられた言葉が山本の闘志に火をつけた。4年生が引退後の5月に新主将に直談判。晴れて選手としてプレーすることが決まった。関西学院大準硬式野球部は山本歩(元西武)、坂本工宜(元巨人)ら近年はプロ野球選手も輩出する強豪。それでも、山本は昨秋リーグ戦・阪大戦の9回から二塁手として初出場。守備機会こそなかったが、堂々とした姿を見せた。

 「阪神タイガース Women」は4度のW杯出場経験を持つ三浦伊織外野手(28)ら代表経験者のほか、昨季女子プロ野球リーグに所属した7人など、実力ある選手が名を連ねる。チームは今後、新型コロナ対策を取りながら西宮市内で練習を重ね、4月以降の全日本女子野球連盟及び関西女子硬式野球連盟主催の大会に出場していく。山本は「有名な選手がたくさんいますが、レギュラーで活躍して日本一になることが目標です」と気合十分。女子野球界のさらなる普及・発展も願い、現役女子大生の“若虎”が歩を進める。(記者コラム・柳原 直之)

 ◆山本 涼香(やまもと・すずか)1999年(平11)7月3日生まれ、兵庫県出身の21歳。丸橋小の2年時から丸橋小クラブで野球を始め、南ひばりガ丘中では池田ボーイズでプレー。福知山成美では女子野球部に所属し、3年春夏ともに全国大会4強。関西学院大進学後は準硬式野球部と女子野球クラブチーム「SEIBI GLITTERS」に所属。関西学院大在学中で文学部3年。1メートル53。右投げ両打ち。憧れの選手はエンゼルス・大谷、西武・源田。

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