【21年版・球界“新”士録7】DeNA・池谷 ダイナミックフォームの左腕が中継ぎ救う

[ 2021年1月22日 10:00 ]

ヤマハ時代の池谷
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 DeNAの新人8選手の中で唯一、社会人出身のドラフト5位・池谷。1位・入江ら大卒組より1学年下だが「プロに一番近いステージで一発勝負を戦ってきた。精神面も含め、学んだことは大学や高校とは違う」と開幕1軍へ意識は高い。

 最速147キロの直球が最大の武器。しなやかで鋭く腕を振るため、スピンが利いて、打者の手元でホップする。投球時は右足を上げた際、グラブの中で球を握りながら両手を突き上げるダイナミックなフォームも特徴的で、打者はタイミングが取りづらくなる。

 甲子園にも出場した静岡高時代は派手さのないフォームだったが、「上背がなく、直球の球速もない。体を大きく使い球に力を与えたかった」とヤマハ時代にフォームを変え、「(直球が)長所になった」と胸を張る。

 武器を生み出す腕の振りには中学時代の経験も役立った。1年時に左肘を故障し「球を投げすぎた」と振り返る。負担軽減のため手首の強化を優先し、軽量のダンベルで鍛えた。左投げながらチーム事情で遊撃手で試合に出場することもあった。「肘に負担をかけずスナップで素早く送球することを考えた。今に生きている」とプロ入りの礎となった。

 貴重な中継ぎ左腕となれるか。エスコバーらライバルは多いが「球団からは入団するときに“中継ぎでいく”と言われているので」と腹を固めた。「やっぱり直球で勝負したい。あとは投げっぷりを見てもらいたい」。真っ向勝負でハマスタのファンの心を揺さぶる準備はできている。(大木 穂高)

 ◆池谷 蒼大(いけや・そうた)1999年(平11)8月2日生まれ、静岡県出身の21歳。小2で浜松ドジャースで野球を始め、当時のあだ名は「怪物くん」。積志中では軟式野球部。静岡高では17年センバツにエースで出場し2回戦敗退。ヤマハで19、20年に都市対抗出場。球種はカーブ、スライダー、チェンジアップ。1メートル75、80キロ。左投げ左打ち。

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