広島・九里 目指すは「完投男」 10完投の中日・大野雄に刺激「最低でも5回は」

[ 2021年1月13日 05:30 ]

<広島・九里自主トレ>   床田(左)とキャッチボールを行った九里   (撮影・成瀬 徹)  
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 広島・九里亜蓮投手(29)は12日、マツダスタジアムで自主トレを公開し「完投男」を襲名する決意を示した。昨季はチーム最多に並ぶ2完投も両リーグ最多だった中日・大野雄の10完投に刺激を受け、5完投を今季の最低ノルマに掲げた。

 年が明けても、昨季の強烈な印象は消えていない。昨年9月1日、敵地ナゴヤドームでの中日戦だった。九里は8回途中5失点で降板し、相手先発の大野雄は球団記録となる5試合連続完投を11奪三振の完封勝利で達成。その左腕から「九里投手は気合が入っていたので、僕も気合が入りました」と称されたが、先発投手としての理想を見ると同時に、力の差を痛感させられた一戦となった。

 「大野さんは(登板した20試合中)半分の試合で完投している。完投する試合を一試合でも多くして、そういう(競った)展開で一試合でも多く任せてもらえるような投手に僕自身もならないといけない。やっぱり最後まで投げたい気持ちは持っています」

 昨季は入団7年目で初めて開幕から先発ローテーションを守り、20試合に先発して2完投。自己最多で森下、大瀬良らに並ぶチーム最多完投数でもあった。ただ、シーズン最終戦だった11月11日の中日戦は2―1で迎えた9回に2失点し完投負けに変わった。

 「そのときの悔しい気持ちがある。(9回は)普段と違う難しさがあり、僅差ならより一層難しい。僅差の場面でも任せられる投手になれれば、自然と(9回を)投げ切ることができる」

 大野雄の存在と昨季の経験から今季の目標は決まった。

 「1試合でも多く(完投)したい。5回、6回…10回でも。最低でも5回はできるように頑張ります」

 昨季以上のフル回転に向け、オフも自らを追い込んでいる。マツダスタジアムに隣接する屋内練習場では、キャッチボール中に床田を捕手役に見立てて投げ込み、今月中旬にはブルペン投球を再開する予定。ダッシュ中は低酸素マスクを装着するなど体力強化にも励んでいる。

 「ランニングは量を走って、ウエート、キャッチボールにしても少しずつ(強度を)上げている段階。強い体をつくってキャンプに臨みたい」

 “完投男”を襲名できれば、先発として揺るぎない立場を確立するシーズンになる。 (河合 洋介)

 ○…2010年以降の広島でシーズン5完投以上の投手は
年 投手名完投勝―敗
10前田健太 (6)15―8
12前田健太 (5)14―7
15前田健太 (5)15―8
19大瀬良大地(6)11―9
九里も目標の5完投を達成し、初の2桁勝利となるか。

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