阪神ドラ1・佐藤輝 目指すは「プロ20年戦士」、大卒野手では過去5人の高い壁も「目指したい」

[ 2021年1月12日 05:30 ]

アップでジャンプするドラフト1位・佐藤輝明(手前、奥はドラフト2位・伊藤将司)
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 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(21=近大)が「成人の日」だった11日、1年でも長くプレーし、プロ野球選手としても“成人”を迎えることを誓った。3日目を迎えた新人合同自主トレ後にオンライン取材に対応。憧れのイチロー氏(47=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)や背番号8を受け継いだ中日・福留孝介外野手(43)のような球史に名を残す「20年戦士」を目指す。

 新成人の節目の日に、佐藤輝は壮大な目標を立てた。NPBで実働20年以上の大卒野手は金本知憲氏、新井貴浩氏(いずれもスポニチ本紙評論家)、矢野監督らわずか5人。名選手のみが達することができる「20年戦士」の境地に踏み入れることを誓った。

 「長いこと活躍できる選手がいい選手。それを目指してやりたいと思います」

 3月で22歳となる若武者は、プロ野球界でも「成人」を目指す。平均現役年数が10年弱と言われる、厳しい世界。競争に埋もれることなく、ファンから末長く愛されることこそが理想型だ。

 「イチローさんは長いことやられていたし、好きな選手だったので。すごいなと思います」

 真っ先に思い浮かんだのは、日米通算28年の現役生活を過ごしたイチロー氏だった。幼少期から憧れの存在。その凄さは、8日に行われたNPB新人研修会で侍ジャパン・建山義紀投手コーチからも伝え聞いた。「(長く現役を続けるには)体のケア、使い方を意識してやらないといけない。そこが一番大事」。ベストコンディションを整えるべく、大学時代から使用しているマットレスをプロ仕様に特注。入寮時には「超一流の選手になりたい」と目を輝かせ、随所に高い意識をうかがわせてきた。

 現在のNPB最年長選手で背番号8を継承した中日・福留も、最高の教材だ。以前には「福留選手のような息の長い選手になれたら」と語っていた。無類の勝負強さに、未来の姿を重ねる。

 自身が20歳を迎えるシーズンだった近大2年夏には、日米大学選手権とハーレム国際で侍ジャパンに初めて選ばれた。直後の秋季リーグでは初のMVPを獲得。「うまくいっていた時だと思います。一つの区切りというか、大人に近づいたなと思っていたんですけど。まだまだですね」。飛躍の1年を冷静に振り返りつつ、今後の戦いを見据え気を引き締めた。

 この日は3日目を迎えた新人合同自主トレで、初めて屋外でのティー打撃を行った。スケールの大きさを感じさせる強烈なフルスイング。20年後も聖地で躍動する姿を想像せずにはいられない。(阪井 日向)

 ≪最長は桧山の22年≫NPBの実働(1軍出場シーズン)20年以上の野手50人のうち、大卒は桧山進次郎22年、金本知憲21年、矢野燿大20年、稲葉篤紀20年、新井貴浩20年の5人。桧山の実働22年は投手を含めた全体でも大卒選手最長になる。

 ≪大山と初対面≫佐藤輝は10日、鳴尾浜球場へあいさつに訪れた大山と初対面を果たした。「あいさつをさせてもらっただけなんで。これからいろいろ教えてもらえたら」。中でも大山の体の大きさに刺激を受けたという。「大きくて、ホームランを打つには体が必要なんじゃないかと思う。技術的な面よりかは、配球だったり、頭の部分を聞いてみたい」。同じスラッガーとして、貪欲な姿勢でイズムを吸収していく。

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