プロ野球選手の自主トレで感じたニューノーマルと不変だったもの

[ 2021年1月12日 09:00 ]

富士山を指さして日本一のセットアッパーになることを誓った岩崎(右)と高橋(撮影・遠藤 礼)
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 毎年、初仕事は富士山を見に行くと決めている。新年早々、「縁起が良い」「清々しい気持ちになる」…。理由は1つではないが、静岡県出身である岩崎の行う自主トレ取材が目的だ。かれこれプロ2年目から6年連続。4日付の関西版1面を見ての通り、世界遺産を望める景勝地「三保の松原」での写真撮影がお決まりになった。

 グラウンドに目を移せば、選手の練習をサポートする地元の人たちの顔が見える。岩崎、同郷の後輩・高橋に内野ノックを打っていた方は期間中、浜松から毎日、車で1時間半かけて駆けつけている。「優、今年も頼むぞ」の声とともに、バットで白球をはじく。
 その後に訪れた福岡での中谷と谷川の自主トレ、和歌山での陽川の単独トレもそうだった。地元の幼なじみや同級生、高校、大学の先輩、後輩らがトスを上げ、キャッチボール相手も務める。練習量の確保はもちろん、中谷は「こうやって毎年、来てくれることがありがたい。感謝しないといけない」と優しい視線を送っていた。
 練習中はマスクを着用し、選手たちは消毒液やアルコールスプレーを持参。トレーニング後もすぐに帰宅する。コロナ禍で自主トレの「ニューノーマル」を感じざるを得なかったが、不変なものもある。地元、そして仲間たちの“無形の後押し”が過酷なシーズンを戦う選手たちの原動力になっている。(記者コラム・遠藤 礼)

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2021年1月12日のニュース