阪神・中谷 遼馬氏と行く背水の21年復活の道 同じ九州出身の元同僚が自主トレパートナー志願

[ 2021年1月5日 05:30 ]

松田氏(左)のサポートを受けながら自主トレで汗を流した中谷(撮影・遠藤 礼)
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 阪神の中谷将大外野手(27)が4日、故郷の福岡県内で谷川昌希投手(28)と自主トレーニングを行った。17年に20本塁打を放った和製大砲の練習をサポートするのは、18年まで同僚で昨季限りで現役を引退した松田遼馬氏(26)。打撃投手を務める後輩の“生きたボール”を打ち込んで復活へ決意を新たにした。

 ただの1球ではない。中谷は、投じられた“激励”の数々を感謝のフルスイングで打ち返していった。

 「本当にありがたいの一言です。遼馬が毎日来てくれて。ピッチャーの生きたボールなんで。これ以上の打撃練習はないです」

 視線の先にいたのは、18年まで同じユニホームでプレーした松田遼馬氏だ。同年途中にトレードでソフトバンクへ移籍し、昨年11月に戦力外通告を受けて現役引退を決断。同じ九州出身で毎年、合同自主トレを行ってきた同氏はプレーヤーでなくなっても「何か手伝いたい」と練習のサポート役を買って出て、連日、打撃投手も務めてくれる。この日も約20分間、生きたボールを打ち込み「しっかり振り込めています」と充実感を漂わせた。

 17年に20本塁打をマークして次代の中軸と期待されながら、ここ3年間は1軍に定着もできなかった。苦しむ姿を知る松田氏こそ背番号60の復活を強く願う一人。「現役の時に一緒に自主トレもさせてもらったので。何か役に立てることはないかと。僕の肩はもう壊れてもいいので。中谷さんのプラスになるなら毎日でも投げるつもり。今年が楽しみだし、応援していきたい」と肩を回した。

 「遼馬もそうですけど周りにいた後輩、同級生もプロ野球を辞める人が増えてる。ひと事じゃないし、自分は結果を出してアピールしていくしかない」

 昨年は70試合に出場も先発はわずか8試合止まりで、代打や守備固めが大半を占めた。ドラフト1位・佐藤輝にロハスと新加入組も含めて外野の層を厚くチャンスはスタートから少ないことが予想される。だからこそ、春季キャンプでのロケット発進をもくろむ。

 「キャンプで上げていくとかじゃなく、初日から100%で結果を積み重ねていく。やっぱり頭(スタメン)から出たいので」。土俵際まで追い込まれた27歳の底力が問われる。(遠藤 礼)

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2021年1月5日のニュース