ヤクルト・小川「恩返しを」残留決定 開幕投手即内定 4年総額7億5000万円

[ 2020年12月26日 05:30 ]

契約更改を終え、記念写真におさまるヤクルト・小川
Photo By 代表撮影

 ヤクルトから国内フリーエージェント(FA)権を行使した小川泰弘投手(30)が25日、都内の球団事務所で4年総額7億5000万円の契約を結び、残留が正式に決まった。山田哲人内野手(28)、石山泰稚投手(32)に続き、国内FA権を取得していた主力3選手が残ることになった。小川が早くも来季の開幕投手に内定したことも判明。21年のヤクルトは、プロ9年目を迎えるエースの一球で始まる。

 4年契約にサインした後の記者会見。チェック柄のグレー地のスーツに身を包んだ小川の表情は、久しぶりにすっきりとしていた。

 「悩む中、苦楽をともにしてきた仲間と優勝したいという気持ちが強くなった。野球選手として愚直に成長し続けることで、球団に恩返しをしたい」

 4日にFA権行使を表明し、日本ハムとも水面下で交渉。パ・リーグに舞台を移した自分を想像するなど、悩み抜いた20日間だった。真っただ中の10日前後の夜、夢の中で山田哲に会ったといい「(自分が)起きる瞬間だったと思うんだけど。どアップで顔が出てきた」と照れ笑いした。

 自身初めて経験したFA宣言。「哲人がキャプテンをやるんだよなと思ったり…。気持ちの揺れ動きがたくさんあった」。徐々にではあったが、気持ちは残留に傾いた。衣笠剛球団社長兼オーナー代行や高津監督からの言葉も「うれしかった」。最後の決断は24日。家族やこれまで支えてくれた仲間たちを思ったとき「スッと(気持ちが残留に)落ちた。ヤクルトで優勝したい気持ちが強くなった」と胸中を明かした。

 山田哲には、前夜のうちに報告。「良かった。一緒に頑張りましょう」とLINEが返ってきた。自ら手を挙げて主将を務める山田哲に対して「もう(自分は)中堅も過ぎている。若手を姿で引っ張りたい」と、石川とともに投手陣のリーダーとしてけん引する。

 残留を決めた小川が即、来季の開幕投手に内定したことも判明した。今季は先輩の石川に譲ったが、来シーズンは自身2年ぶり5度目となる大役を担う。「チームは2年連続の最下位。2年連続2桁勝利を目指して、少しでも高いパフォーマンスを、毎試合出して投げたい」。21年3月26日の阪神戦(神宮)。生涯ヤクルトを決めた小川が再出発する。(川手 達矢)

 ○…小川(ヤ)が来季開幕投手を務めると、昨季以来自身5度目。チームでは金田正一(当時国鉄)の10度、松岡弘、石川雅規の各9度に次ぎ石井一久に並ぶ4位タイの多さになる。

 ▼ヤクルト・衣笠剛球団社長兼オーナー代行 3人(山田哲、石山、小川)はそれぞれの要になってくる。彼らが残留してくれて、そこがスタートライン。プラス補強ということで、来年改めて頑張るということです。

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2020年12月26日のニュース