セ・リーグDH導入は?…ファン賛否真っ二つ!賛成派「選手ファースト」反対派「作戦の幅が減る」

[ 2020年12月21日 06:30 ]

セ・リーグはDH制を導入すべき?
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 セ・リーグのDH制導入の議論が高まる中、スポニチではツイッター「スポニチ野球記者」で緊急アンケートを実施。ファンの間でも賛否が真っ二つに分かれた。わずかに導入反対派が上回ったものの、その差は0・4ポイント。全3問にそれぞれ約5000の回答が寄せられた中で主な意見を紹介し、改めて是非を考える。

 アンケートでは回答とともにファンの意見も募集。熱心な声が多数寄せられた。「導入賛成派」では「投手はケガのリスクが減り、投球に専念できる。打者も1人出場機会が増えます。選手も望んでいる声が多いです。選手ファーストだと思います」との意見。選手を第一という考えは、今年の日本シリーズで全試合DH制となった流れと共通する。

 さらに「8番申告敬遠→ピッチャー勝負(自動アウト)といったものはもう見たくない!!」などと投手が打席に入るデメリットを指摘する意見も。「DHがあれば、未来の大砲を試合に出しやすくなる」とメリットを示すものも多数あった。また「パとの差をマジで詰めていかないと」「国際大会もDH制なのに、取り入れない理由が分からん」などの声が寄せられた。

 一方、パ・リーグが8年連続で日本シリーズを制した現状でもなお、根強い「導入反対派」がいたのも事実だ。「打撃のいい投手だっているし、送りバントからのバスターや、投手が打席に立つことでいろんな作戦を立てる野球もまた面白い」などと、作戦面での見どころを強調する意見が多かった。「DH制の有無は、パとセそれぞれの野球のアイデンティティーとも言える」「元々が9人でやるのが伝統的なルールという面とセとパのリーグの差別化という面はあってほしい」など、歴史や伝統などに重きを置く声も多く上がった。

 同時に行った「セとパに実力差はあると思うか?」のアンケートでは、実に85・9%が「ある。パの方が強い」との回答だった。「(DH制のあるパの投手は)試合に臨む“覚悟”が違う。ポイントポイントで“楽”できるセとの違い」。さらに「総体的に見てセの選手は線が細い気がする」「パの選手はセの2倍以上ある移動距離を難なくこなす」との声もあった。

 その実力差はDH制の有無が理由かとの問いには「思わない」が57・4%。「DH制が原因ならもっと昔に差が開いてるはず。今はソフトバンクが強すぎる」。また「ドラフトの逆指名制廃止の方が大きい」との声も。さらに「指導者の差だと思う。野球の質が違いすぎる」や「勝負の戦略性はパ・リーグの方が進んでいる。セは古き良き日本のプロ野球を引きずっている」などの意見が聞かれた。

 ≪選手会は9割以上“賛同”≫日本プロ野球選手会は今月3日に一部の選手を対象にアンケートを実施。強い反対意見は出なかった。9割以上が賛成し「(コロナ下で)投手の負担が減るのはありがたい」「国際大会でも採用しているし、自然な流れ」などの意見が多かったという。今季10完投が評価され、沢村賞に輝いた中日・大野雄も「投球に集中できるので大歓迎」と賛同する。
 選手会会長を務める巨人・炭谷はスポニチ本紙の取材に「自分たちはルールを決める立場ではない」と前置きしつつ「選手の中にもさまざまな意見があるので議論し提言していきたい」と決意を表明。セ6球団で本格的な議論ができていない現状に「僕らは決められたルールに従う。しっかりと議論してほしい」と希望している。

 【DH制議論の経過】
 ▼19年10月24日 巨人・原監督がオーナー報告で「(セも)DH制は使うべき」と提言。日本シリーズでソフトバンクに4連敗し「DH制というので相当差をつけられている感じがある」。高校野球ではレギュラーが9人から10人に増えることから「教育的」という持論が根底にあり、球界発展に話を広げた。
 ▼20年11月19日 NPBが日本シリーズで全試合DH制を導入すると発表。コロナ禍による過密日程で投手の負担を軽減するためソフトバンクが申し入れ、臨時実行委員会で特例として決まった。
 ▼同25日 日本シリーズでソフトバンクが4連勝し、4年連続日本一を達成。これを受け、各方面でセ・リーグへのDH制導入の議論が活発化。
 ▼12月3日 日本プロ野球選手会が、恒例の選手会大会総会で12球団の選手会長や副会長ら25選手にアンケート実施。9割以上がセのDH制導入に賛成した。
 ▼同14日 巨人がセ理事会で来季、暫定的なDH制導入を提案。コロナ下での投手の負担軽減、野手の出場機会増などを理由に掲げ、山口寿一オーナー名で提案書を提出したが、賛同を得られずに見送られた。

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