阪神 ロハスと大筋合意、今季韓国20勝右腕アルカンタラとW獲りへ

[ 2020年12月10日 05:30 ]

韓国で今季本塁打&打点の2冠王に輝いたロハス(スポーツ朝鮮提供)
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 阪神は来季の新外国人候補として獲得に乗り出していた韓国・KTのメル・ロハスJr.外野手(30)と大筋合意に達したことが9日、分かった。今季、ロハスは韓国リーグ(KBO)で47本塁打、135打点で2冠王に輝き、打率も・349をマーク。両打ちの大砲候補だ。また、他球団との争奪戦を続ける韓国・斗山のラウル・アルカンタラ投手(28)も交渉は優勢で、近日中の大筋合意を目指す。悲願のV奪回へ向けて、大型補強の成功が秒読みとなった。

 矢野阪神に朗報が届いた。午後にロハスの代理人が前所属先の韓国・KTと日本の1球団に阪神移籍の意向を通達。日米韓の3カ国で展開された白熱の争奪戦が決着した。水面下で交渉を進めていた中、来季契約の大筋合意に結び付けた。

 「(正式な契約は)まだですが、ロハスは阪神移籍を決めました。阪神への入団は決定的です。そう聞いています」

 球界関係者によれば阪神移籍は決定的な情勢で、チームにとっては待望の戦力補強となる。今オフ最大のミッションは、一発を打てる強打者の獲得。メジャーの経験はないものの、父や親族などがメジャーリーガーというサラブレッド。折り紙付きのパワーに加えて、打順を組みやすい両打ちも魅力の一つだ。

 韓国では申し分ない実績を残した。在籍4年目の今季は打率・349、47本塁打、135打点という圧倒的な数字を記録。本塁打、打点で2冠王に輝いた。外野の守備力にも定評があり、昨季はゴールデングラブ賞を獲得。走攻守を兼ね備えた逸材で、球団側は韓国時代に慣れ親しんだ背番号「24」を準備しているという。

 ただ、補強の手を緩めるつもりはさらさらない。ロハスと同時に獲得へと乗り出しているのが、今季の韓国リーグで20勝を挙げたアルカンタラだ。先発陣の整備を進めていた中、150キロ超え右腕をリストアップ。速球とキレ味鋭いスライダーが魅力で、31試合に登板して防御率2・54の好成績をマークした。198回2/3を投げ抜いたタフネスぶりも、期待大。他球団との争奪戦は続くが阪神優勢の声も伝わっており、こちらも近日中の大筋合意を目指す。

 すでに前ロッテのチェン・ウェイン投手(35)とも大筋で契約に合意していた。今オフは着々と補強が進んでおり、残る懸案は残留交渉を進め、年内決着を目指す守護神・スアレスの動向だけとなった。残留するサンズ、マルテ、エドワーズ、ガンケルの4選手と融合すれば、16年ぶりのV奪回へ視界は開けてくる。3年目を迎える矢野阪神が、強力助っ人をそろえて勝負の2021年に挑む。

 ◆メル・ロハス・ジュニア 1990年5月24日生まれ、米インディアナ州出身の30歳。10年のドラフト3巡目でパイレーツと契約し、16年5月にブレーブスに移籍。3Aでは通算259試合で21本塁打、109打点。17年6月に韓国・KTに移籍。17年WBCドミニカ共和国代表。野球一家でメジャーリーガーの父だけでなく、大叔父にエクスポズなどで監督を務めたフェリペ・アルーがいる。1メートル88、102キロ。右投げ両打ち。

 ◆ラウル・アルカンタラ 1992年12月4日生まれ、ドミニカ共和国出身の28歳。09年にアマチュアFAとしてレッドソックスと契約。アスレチックス在籍の16年9月5日にメジャーデビューし、2年間で通算13試合2勝5敗、防御率7.19。19年は韓国・KTで11勝11敗、今季は韓国・斗山で20勝(2敗)を挙げ最多勝。1メートル93、99キロ。右投げ右打ち。

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