新庄剛志氏、野球と向き合った4時間 「やり遂げた感ある」「6日間でオファー来なかったら野球は終わり」

[ 2020年12月7日 16:41 ]

<合同トライアウト2020>球場を離れる際、グラウンドに深々と礼する新庄氏(撮影・木村 揚輔)
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 戦力外となった選手らを対象とした12球団合同トライアウトが7日、都内で開催された。阪神や日本ハムで活躍し、メッツなど大リーグでもプレーした新庄剛志氏(48)は、第4打席で左前打を放つなど、3打数1安打1四球。日本ハムの日本一に貢献した06年以来のNPB復帰はなるか、注目される。新庄氏は、走攻守に全力で戦い抜いた4時間を終え、記者の質問に応えた。

 ―今の気持ち
「1打席目に真っすぐ一本に張って、ちょっと急ぎすぎて先っぽでセカンドゴロ。その後は見過ぎていい振りができなかったが、4打席目に、ランナーが出たでしょ。打ち方なんか全部消えた。俺を見てくれという打席でしたね。打った後、打球がヒットゾーンに飛んでいく感じが残ってますね」

 ―チャンスがあると燃える。
 「チャンス、好きですね、僕」

 ―あの1打が努力が実を結んだ形か。
 「うーん。難しいかな、どうかなーという時期もあった。みんなの、日本中みんなの、ゆっくり、急いでトライアウトまで応援しますというコメントをものすごくいただいて、よし、もう1回気合を入れ直してこの場所に立とうという気持ちにさせてくれたので、感謝しかないですね。でも、逆を言えば48歳という年で、この場所に立つまでに努力をしてきたものをみんな見てもらって、少しは勇気を与えられたかなとも思うし」

 ―打席に立った瞬間はどんな気持ちだったか。
 「なんか、打席に入りました、楽しい。今までにない感情が、ただ熱くなって。あー立てたと。立てるかどうかの感じの時期もあったから、立てた時には本当に、本当は結果はそんなに意識していなかったが、ホームランを打ちたいとか、そういう気持ちにもあまりならなかったから、球場に入った瞬間。とりあえず、立てたことがうれしかったね、うん」

 ―久々のユニホーム姿。こだわりはあるのか。
 「いやいや、現役時代と一緒の感じで。ちょっと袖を短めで、ちょっとズボンが細かったかな。でも袖を通した瞬間、ふっと、よし、楽しもうと思いましたね」

 ―ライトの守備もついた。景色は。
「センターの方が込み上げるものはありましたね。守備について、若い子にこういう足のステップ、スタートの切り方はこうだよというのを教えたりして」

 ―今後への自信
「分からない、それは。まあ今日終わって6日、6日間でオファーが来なかったら僕はもう野球はもう終わりです。それはきっぱりやめます。6日間の間に来なかったらよし、1年間お疲れさまでした、新庄剛志で終わります」

 ―挑戦することがすごい
「本当、やり遂げた感はものすごくある1年でしたね」

 ―打席では思い出したり
 「やっぱりボールだけに集中しないといけないんだけど、やっぱり打席に入った瞬間に込み上げてきてしまいましたね。バリで壁にぶつけて自分1人でやった日々とか、最終的に左投手、やっぱり左投手が好きなんですよね、昔から。良かったです」

 ―打席の中で思い出したりこみ上げたものは?
 「ボールだけに集中しないといけないんだけど、やっぱり打席に立った瞬間にこうこみ上げてきましたね。バリで壁にぶつけて、自分一人でやったこととか、最終的に最後左ピッチャー、やっぱり僕左ピッチャー好きなんですよね、昔から」

 ―最後の最後に打つのが新庄らしい。
 「ね。本当もうこの一本がみんな(自ら拍手する)。あのヒットを打ってくれました、応援して良かったと思ってくれたら本当うれしいですね。思ってくれていると思う。面白かった」

 ―視聴者へメッセージ。
「ユニホームを脱いで14年間になるけれど、1年自分に勝って努力すればこういうふうに結果を出せるということをみんなに少しだけでも分かってもらえたらうれしいなと。あと声援、みんなにいろんな応援メッセージをもらって、感謝しかない。ありがとうございました」

 ―守備の時に、外野だけでなく一塁、二塁と。グラブは?
「外野のグラブ。だって外野のグラブ使ったって、捕ってアウトにすればということだから」

 ―最初のシートノック以外は全て外野のグラブで?
 「そうですね。ただやっぱり、なんか捕りやすいなと。でもサード守ったのはタイガースのデビュー戦を思い出したかったというのはあるし、いろんなところを守れるよというところもみせたいという。まぁ守れてないんだけど、みせるだけならタダだし」

 ―バットは現役時代と重さとかは?
「一緒です。メーカーも一緒だよ。アメリカにオーダーしてつくってもらったバットなので。でもバットどうこうじゃないよ。どのバットだって気持ち入って芯に当たって、気持ちですよ。ボールが見えていたから。いけんじゃねという気持ちはありました。結果どうこうというより、いい当たりして、いいキャッチボールして、いい走りはちょっとまだこれからなんですけど、ボールもいいボール投げれていたし。よく無観客の中。みんなの前でプレーしたかったというのが正直なところです」

 ―無人のスタンドにボールを投げ入れるシーンも。
 「ファンが見てくれているという。ボール投げていたから。イメージです」

 ―もっとファンが入っていたら、もっと力出せていた?
「それは自分では分からない力は出ましたよ。経験というか。観客動員の数で僕の打率は全然違うみたいな」

 ―ダルビッシュもツイッターで二ゴロも芯ですごいと。
「先っぽだけどね、まあまあまあ。ちょっと早かったかな」

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