ソフトバンク・千賀の“秘策” 坂本、岡本、丸に攻め方一変!パ初4年連続大役で球団新シリーズ開幕3勝

[ 2020年11月22日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2020第1戦   ソフトバンク5―1巨人 ( 2020年11月21日    京セラD )

<巨・ソ>3回、吉川尚の打球をさばいて一塁にジャンピングスローを見せる千賀(撮影・北條 貴史)
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 今年は交流戦がないイレギュラーなシーズン。特別な一年だからこそ、ソフトバンクの千賀―甲斐のバッテリーは、昨年の日本シリーズ以来の対決で巨人打線に「2年越し」の工夫を見せた。

 千賀「少しボールにバラつきはあったが0点に抑えることができたので良かった。大事な初戦をチームのみんなで良い流れに持っていくことができたと思う」

 標的は坂本、岡本、丸のクリーンアップ。3人の打者は、戸惑ったことだろう。

 昨年は執ような内角攻めを続けた坂本には、この日は外角中心で1安打。昨年は内角直球を3打席で1球しか見せていなかった岡本には、一転、内角勝負。初回2死一塁では154キロでバットを粉砕し、捕邪飛に仕留めるなど無安打に封じた。

 昨年はこれでもかというほど、内角カットボールを投じた丸には、残像を利用した外角攻め。「たまたまですけど、大きかった」と振り返った2―0の4回無死一、二塁。2ボールから外角低直球で遊ゴロ併殺打。チームに流れを引き寄せた。

 巨人・菅野と公式戦では初の投げ合い。「日本シリーズというより、菅野さんを見て力んだ」と気持ちは躍った。7回には両足がつるアクシデントがあったが「投げ方を変えて何とか」と3安打無失点でバトンをつないだ。パ・リーグ史上初の4年連続シリーズ初戦先発で、第1戦は3勝目。「赤鬼」と称されたスタンカを超える球団記録となった。

 両リーグの最多勝右腕。千賀が上回ったのは得点圏での被打率だった。・198に対して、菅野は・239。2度の得点圏を切り抜けた千賀に軍配が上がった。工藤監督は「集中力の勝利。良く投げた」と称えた。(川島 毅洋)

 ≪千賀 最多勝対決で初の7回上以零封≫千賀(ソ)が7回零封で菅野(巨)との先発対決を制した。千賀の4年連続開幕投手は69~72年堀内恒夫(巨)に並ぶシリーズ最多タイ記録。パでは76~78年山田久志(阪急)の3年連続を抜く新記録だ。また、千賀は17、19年に続くシリーズ初戦勝利。第1戦通算3勝は堀内、渡辺久信(西)に並ぶ最多タイで、球団ではスタンカの2勝を抜く新記録となった。なお、両リーグ最多勝投手同士が日本シリーズ第1戦に先発したのは03年の井川慶(神)と斉藤和巳(ダイエー)以来17年ぶり6度目。最多勝投手同士の初戦先発で7回以上を無失点に抑えたのは千賀が初めて。

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