阪神初の社長兼務・藤原オーナーが所信表明 球団と力合わせて優勝届けたい

[ 2020年11月21日 05:30 ]

来月から社長を兼務する阪神の藤原崇起オーナー
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 阪神は20日、藤原崇起オーナー(68=阪神電鉄会長)の12月1日付での球団社長就任が正式決定したことを発表した。同日に大阪・野田の電鉄本社で開かれた取締役会で承認。オーナーと球団社長の兼務は創設85周年の球団史上初めてだ。10月に辞任を表明していた揚塩健治社長(60)の後を引き継ぎ、来季の16年ぶり優勝と結束を誓った。

 球団の次期社長が正式に決まった。悲願達成へ敢行した組織改革。オーナーが球団社長を兼務するのは85年の球団史で初めてだ。藤原オーナーは阪神電鉄本社で取材に応じ、新社長として力強く所信表明した。

 「(今年も)チャンピオンフラッグには届いてないわけですから。これから、みなさんにもっとそういうふうなことをお届けできるように。今度は現場へ行きますので。もっと具体的なところに入っていく。緊張感がずいぶんあります」

 コロナ禍に翻弄(ほんろう)された今季はチーム内で3月と9月の2度にわたって選手やスタッフが感染に見舞われた。揚塩球団社長は一連の騒動に対する責任を取る形で10月に12月1日付での辞任を発表。注目された後任に事態の収拾と常勝球団を目指し、オーナー自ら立ち上がった。

 「経済もこういう状況の中で、各部門ともいろいろ必死にやっている。総合的に考えて、私がやるということが、今の一番いいやり方かなというところ」

 今後は社長としての責務も果たすため現場にも足を運ぶことになる。来季へ向けてコロナ対策や編成面などフロントの役割は山積。まずは意見交換から開始する予定で、甲子園球場隣接の球団事務所にも出向いて球団内の会議などに出席する意向を明かした。

 「まずは現場に行きます。(会議にも)参加しながら、疑問に思ったことを一つずつ聞きながらスタートしていく。まっただ中に入っていくわけですから、そら、そういう(優勝への思いが増す)ことになるでしょうね。それを肌身に感じて、いろんなことを一緒に考えていく、決定していく、実行していくというのをやらないかんのでしょうね」

 来季で就任3年目を迎える矢野監督の全面バックアップへ一枚岩で挑むことを約束。虎党待望のV奪回へ注目の新体制がスタートする。(山本 浩之)

 ◆藤原 崇起(ふじわら・たかおき)1952年(昭27)2月23日生まれ、兵庫県出身の68歳。大阪府立大から75年4月に阪神電鉄入社。05年6月に同社取締役となり07年6月に同社常務取締役。11年4月に同社代表取締役社長、球団取締役に。17年4月に同社代表取締役会長(現職)となり同年12月に球団取締役オーナー代行。18年12月に球団取締役会長オーナー。17年6月には阪急阪神ホールディングス株式会社代表取締役となり、20年6月に任期満了で退任。

 ≪辞任の揚塩氏は本社取締役に≫阪神電鉄は20日、非常勤取締役で阪神タイガース球団社長の揚塩健治氏(60)を12月1日付で取締役として沿線価値創造推進室(副)担当とする新役員人事を発表した。球団内で新型コロナウイルス感染が相次ぐなどした一連の騒動の責任を取り、10月9日に「着任以来、いろいろな混乱を招いた球団内の最終的な責任者としてのけじめ」と球団社長辞任を表明していた。

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