巨人・菅野「日本一に飢えている」 いまだ届かぬ頂点へ「相当な覚悟を持って」

[ 2020年11月21日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2020第1戦   巨人ーソフトバンク ( 2020年11月21日    京セラD )

キャッチボールで調整する菅野(撮影・後藤 大輝)
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 人生初の「日本一」獲りへ準備は整った。21日に開幕するSMBC日本シリーズ2020の初戦に先発する巨人・菅野智之投手(31)が20日、京セラドーム大阪で最終調整を行った。昨年4連敗で苦杯を喫したソフトバンクと2年連続の対戦。3年連続日本一の強力打線を封じ、絶対的エースがチーム8年ぶり23度目の頂点へ導く。

 日本一――。この言葉が、菅野にとってどれほど大きいか。東海大相模では神奈川大会準優勝。東海大では全日本大学選手権で準優勝が最高成績だ。沢村賞2度の絶対エースも、昨年までのプロ7年間で届くことができなかった。

 「去年日本一になれなかった悔しさが強い。僕も人生で一回も日本一になったことがない。相当な覚悟を持ってここまできた」。腕から始動するフォームに改良した今季はプロ野球記録の開幕投手から13連勝をマークした。「日本一」の個人記録は持つが、目標はチームの栄冠。原監督には「いい高揚感、緊張感」と評され、初戦を託された右腕は「僕以外いないでしょう」と自信をみなぎらせた。

 この日はキャッチボールで汗を流した。相手の先発は千賀。17年WBCで共に日の丸を背負い、米国との準決勝では先発した自身から千賀につないだ。1月の自主トレでも時間を共有した。最速161キロを誇る右腕を「尊敬できるピッチャーは日本でも少ない。特別な存在」とした。昨年3月のオープン戦以来2度目の対決で「この上ない対戦になる。千賀君に挑戦したい」と日本一の投げ合いを心待ちにする。

 相手打線のポイントも「日本最速」の男。12球団トップの50盗塁を決めた周東の名前を挙げた。「周東選手を塁に出さない、中軸につながないところが一番」と、13試合連続盗塁の日本新記録を樹立した足攻を警戒する。

 昨年は腰痛のためCSファイナルSを回避してシリーズ第4戦に登板。7回途中までに4失点し、4連敗で敗退した。雪辱に向け、原監督は「独特の雰囲気を避けずに正面きっていく。我々の野球ができるかに尽きる」と言った。

 全試合でDH制を採用。リーグトップ126本塁打を誇る強力打線9人と真っ向勝負する。エースは「向こうの土俵かもしれないですが胸を突き合わせた勝負がしたい。千賀君の球を打席で見たかった」とユーモアを交えて抱負。京セラドームも通算4試合で防御率0・93と好相性だ。

 原監督とともに投手陣で宮本投手チーフコーチを胴上げすることを目標に掲げた。「選手一人一人が日本一に飢えている」。まだ見ぬ頂に立つために、出陣する。(田中 健人)

 ☆7年ぶりの白星へ 日本シリーズは通算3試合で1勝2敗。唯一の勝利は13年楽天第6戦で同年パ最多勝の田中将大に投げ勝って挙げたものだ。今回は今季パ最多の11勝を挙げた千賀と対戦。再び最多勝投手を倒し、初のシリーズ開幕投手の重責を果たせるか。

 ☆得意のマウンド 京セラDは公式戦で4試合に登板し1勝1敗ながら防御率は0.93。全試合7回以上、自責点2以下のハイクオリティー・スタートと相性抜群だ。

 ☆盗塁阻止率6割 菅野が今季登板時に許した盗塁は2個だけで、盗塁刺は3。全て捕手・大城とのコンビで阻止率.600をマークし、盗塁を企図される機会も少なかった。

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