日本ハム 栗山監督 10年目「丸裸」の覚悟「情を捨て、自分の全てをさらけ出す」

[ 2020年11月18日 05:30 ]

記念撮影に応じる日本ハムの(左から)川村浩二球団社長、栗山監督、畑佳秀オーナー(代表撮影)
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 決意の10年目だ。日本ハムの栗山英樹監督(59)が来季も指揮を執ることが17日、決まった。都内で畑佳秀オーナー(62)に今シーズンの報告を行い、席上で1年の契約延長に合意。来季は球団最長を更新する10年目となる。2年連続Bクラスという結果を受けての続投に、栗山監督は野球人としての全てを懸けてチームを率いる不退転の覚悟を示した。

 もう後はない。節目の10年目すら、栗山監督は「10年目とか、球団記録とか、そういうのは全然ない」と言い切った。背水のシーズンとなる来季へ、自ら退路を断つ覚悟がそこにのぞいていた。

 「こんな悔しいシーズンはない。監督を引き受けた1年目に戻って、もう一回全てを懸けて丸裸になってやるしかない」。あえて優勝という目標も口にせず、険しい表情で「結果で喜んでもらうしかない」と続けた。

 コロナ禍で開幕が遅れた今季。チームは1軍が北海道、2軍が千葉・鎌ケ谷と離れている球団事情もあって調整が遅れ、開幕後もビジターの連戦が続いて波に乗れず、優勝争いに加われないまま5位に低迷。昨年の5位に続く2年連続Bクラスは、04年の北海道移転後初だった。この結果に「自分が一番悪いのは分かってる。選手のためになるためにみんなやってるのに、自分が選手のためになってない」と振り返り、心の中で「(来季も)自分でいいのか」と、ずっと自問自答を繰り返してきたという。

 そんな栗山監督はこの日、畑オーナーの熱い言葉を受け、続投要請を受諾。畑オーナーは「新型コロナウイルス感染症に直面しながらの舵(かじ)取りは極めて難しいものだった」とコロナ禍での苦戦に理解を示し、続けて「思い通りにいかなかった歯がゆさ、悔しさは誰より栗山監督が感じており、それを晴らしたいという思いを最も強く抱いているのは監督自身です。これまでの集大成を見せていただけると信じて栗山監督に2021年のファイターズを託します」などとコメントした。

 節目の10年目。引き受けた以上は過去9年の失敗を生かさなければ意味がないとする栗山監督は、固い決意を表明した。「自分の責任を果たし切る。情を捨てて、自分の全てをさらけ出す」と。選手のためなら、それがチームの成長につながるなら、どんな“鬼”にもなる。伸び悩む清宮に対しても、大成させるため今まで以上に厳しく臨む方針だ。

 野球人として全てを懸ける2021年。23年の新球場開場も見据え、目指すは5年ぶりの頂点しかない。(秋村 誠人)

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