阪神 韓国2冠王・ロハスJr.獲りへ 父、親族がメジャーリーガーの野球一家 日本の複数球団と争奪戦

[ 2020年11月18日 05:31 ]

韓国プロ野球で今季本塁打と打点の2冠王に輝いたロハスJr.(スポーツ朝鮮)
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 阪神が来季の新外国人候補として韓国KTのメル・ロハスJr.外野手(30)をリストアップしていることが17日、分かった。今季は47本塁打、135打点で2冠王に輝き、打率・349もあわせて好成績。昨季打点王の実績を引っさげて韓国から加入したサンズが日本野球への適応能力を示しただけに期待度は高い。両打ちの特性も魅力として持つ大砲に補強ターゲットを合わせた。

 隣の国に猛虎が熱視線を送る大砲がいた。来季の新外国人候補としてリストアップしているロハスJr.は韓国KTに在籍。メジャー経験はないとはいえ、父や親族などがメジャーリーガーの野球一家に育ったサラブレッドだ。韓国球界の関係者が明かした。

 「韓国での実績は十分です。これだけ成績を残した選手です。日本の複数球団が獲得に動くと思われます。当然(阪神も)調査はしているでしょう」

 コロナ禍の今年は米マイナーリーグが中止となり、今オフの調査対象の選手は限られている。狭い市場の中でひときわ目を引く存在がロハスJr.で、日本の球界関係者も特に打撃に高い評価を寄せた。

 「成績を見れば、パワーヒッターですが、シュアな打撃も魅力ですよ。ある程度、率も残せるとみています」

 成績を見れば一目瞭然だ。韓国プロ野球で在籍4年目を迎えた今季は打率・349、47本塁打、135打点という圧倒的な数字を残し、本塁打、打点で2冠王に輝いた。スイッチヒッターの特長も魅力の一つで、打順も組みやすく、得点力アップも期待でき、補強ポイントに合致した。加えて、昨季はゴールデングラブ賞を獲得するなど外野の守備力にも定評がある。

 既にボーアが来季構想から外れて退団が濃厚。サンズは残留へ向けて、マルテも現時点では残留させる方針で今後は代理人との交渉を開始するもようだ。コロナ禍で設けられた「特例2020」特別措置は来季も継続される予定。外国人選手を5人まで出場選手登録(同一試合の出場は従来通り4人まで)できるルールを有効活用するためにも、球団史上最多だった今季の8人体制と同等の規模を維持する見通しで、新たな大砲獲得は オフの重要テーマだった。

 昨季韓国で打点王に輝いたサンズは加入1年目から日本野球への対応力を証明。前例に照らせばロハスJr.の実力は折り紙付きと言っていい。今後は球団内での絞り込み作業などを経て獲得の有無を最終決定する見通し。他球団との争奪戦は 必至で、16年ぶりリーグ優勝を目指す上でも新助っ人候補を逃さない。

 ◆メル・ロハスJr. 1990年5月24日生まれ、米インディアナ州出身の30歳。10年のドラフト3巡目でパイレーツと契約。メジャー経験はなく、16年5月のブレーブス移籍を経て3Aで通算259試合に出場、21本塁打109打点。17年6月に韓国KT移籍。19年外野手でゴールデングラブ賞受賞。今季は47本塁打と135打点で2冠。17年WBCドミニカ共和国代表。父のメル・ロハスはエクスポズ(現ナショナルズ)などでメジャー通算34勝の投手。大叔父にエクスポズなどで監督の フェリペ・アルーや、74~76年に太平洋(現西武)所属のマティ・アルー外野手らがいる野球一家。1メートル88、102キロ。右投げ両打ち。

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