目指すは57試合! 広島ドラ2・森浦 球団新人最多登板に意欲 下半身強化中「1試合でも多く投げたい」

[ 2020年11月18日 05:30 ]

<広島仮契約交渉>仮契約交渉を終えクリスマスツリーの前で全力プレーと書いた色紙を手に活躍を誓う天理大・森浦(左)(撮影・後藤 正志)
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 広島からドラフト2位指名を受けた天理大・森浦大輔投手(22)が17日、奈良市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金6000万円、年俸1100万円(金額はともに推定)で仮契約した。先発、中継ぎの持ち場を問わず、1年目からフル回転での貢献を誓い、救援なら球団新人最多の57試合登板にも意欲を示した。

 見たことのない数字で自覚を新たにした。森浦は仮契約交渉を終えても、緊張の表情のままだった。

 「ゼロの数を(担当スカウトの)鞘師さんと一緒に数えました。プロ野球選手になったと実感が湧きました」

 即戦力左腕が、評価が金額で表される世界の入り口に立った。

 最速148キロ直球と落差大きいチェンジアップが最大の武器。先発、中継ぎの万能性にも優れ、起用法は春季キャンプ、オープン戦を経て適性を見極められる。希望は「1試合でも多く投げたい」。仮に役割が中継ぎなら、目指すべき数字となるのが登板数だ。

 球団新人の最多登板は62年池田英俊の57試合。左腕に限れば、95年高橋建の39試合で、「しっかりとやってケガをしなければ、投げたいと思う」と言う。先発でも日本人左腕の2桁勝利は01年の高橋建が最後。球団を代表する左腕となるためには、元メジャーリーガーの残した数字は避けて通れない。

 球団発表では1メートル75、71キロ。野球選手としては小柄だけに、長いシーズンを乗り切るための体力づくりに余念がない。「体を強くしたいと思う。下半身をしっかりと安定させたい」。ドラフト指名以降、食事を1日5食に増やし、500グラムの増量に成功。わずか500グラムだが、もともと食が細く、太りにくい体質の左腕にとっては大きな進歩だ。ウエートトレなどを並行しながら、春季キャンプまでには75キロとすることを目標に、地道にトレーニングに励んでいる。

 仮契約交渉の席で鞘師智也スカウトからは「ボールそのものは通用する。ただ1年間、同じ球が投げられないといけない」とアドバイスを受けた。「1軍でしっかりと勝ちに貢献できる投手になりたい」。持ち場は問わない。勝つために細腕はフル回転する。(桜井 克也)

 【森浦はこんな選手】
 ☆生まれ&サイズ 1998年(平10)6月15日生まれ、和歌山県新宮市出身の22歳。1メートル75、71キロ。左投げ左打ち。
 ☆球歴 丹鶴小1年から「新宮パワーウエーブ」で野球を始め、緑丘中では軟式野球部に所属。天理高では1年夏からベンチ入りし、2年春、夏の甲子園大会に出場。天理大では1年春からリーグ戦に出場し、通算21勝10敗。1年春、秋にMVP。全国大会は1、2年時に大学選手権に出場した。
 ☆同学年の輪 広島では高橋昂、坂倉らが同学年。同じ左腕の高橋昂とは高校時代に対戦経験はなく「盗めるところは盗んでいきたい。ライバルとして負けないようにしていきたい」。
 ☆遠投 最も大事にしている練習は遠投。「低い球筋でスピンをかけることを意識している」。
 ☆食生活 奈良県天理市で高校、大学の計7年間を過ごしたが、有名なご当地ラーメン「天理ラーメン」は「辛いから…」と食べたことがない。ちなみに名物の多い広島で食べたいものは「カキ」だとか。

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