西武 埋まらなかった秋山の穴 新戦力の台頭に期待

[ 2020年11月17日 09:00 ]

今季、プロ初本塁打を放った西武・川越
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 シーズン最終盤の猛追及ばず、西武は目標に掲げていたリーグ3連覇だけでなく、クライマックスシリーズ進出も逃した。就任4年目で初めてポストシーズンを戦わず終戦した辻監督は「去年と一番、違うのは、打線がつながらなかったこと。この2年間とは全然、違っていたような気がする」と、リーグ連覇の核となっていた強力打線の不調を敗因の一つに挙げた。

 毎年のように指摘される頼りない先発投手陣もさることながら、現場、ファンともに痛感したのは、やはり長年リードオフマンを務め、米大リーグのレッズに移籍した秋山翔吾の穴だろう。開幕からスパンジェンバーグ、鈴木らが1番に座ったが機能せず、つなぎ役の2番・源田も不振に。秋山不在が打線全体に波及し、チーム打率・238はリーグ5位、総得点479も同4位と、過去2年では信じられないような数字が並んだ。

 では、外野の一角を担うポスト秋山は誰なのか―。今季は主に左翼・スパンジェンバーグ、中堅・金子、右翼・木村の布陣で臨む中、野手転向2年目で27歳の川越、21歳の西川、高木がプロ初安打をマークし、それぞれが数試合で持ち味を発揮した。昨季は戸川、愛斗、鈴木がプロ初安打。いずれも20代中盤までの若さで伸びしろを感じさせる。ただ、打撃はいいが守備が…、守備は文句ないが打撃にムラが…と「帯に短しタスキに長し」の面々だ。

 辻監督は就任以来、金子や木村が打率2割台前半に低迷した時も「足や守備で貢献している」と辛抱強く起用を続け、成長を促した。今季終了後も「いろいろな選手が、1軍を経験した中で自分に何が足りないのか。しっかりと一人一人が考えて努力してくれればいい」と新戦力の台頭に期待を寄せた。短いオフをどう活用し、飛躍につなげるか。若獅子たちに休息の時間はない。(記者コラム・花里雄太)

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2020年11月17日のニュース