さらば阪神 福留が無観客2軍戦で虎ラストプレー ファンにざんげ「優勝できなくて申し訳ない」

[ 2020年10月30日 05:00 ]

ウエスタン・リーグ   阪神7-5中日 ( 2020年10月29日    鳴尾浜 )

<ウエスタン 神・中>フル出場で勝利を喜ぶ福留(右端)(代表撮影)
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 来季の戦力構想から外れている阪神・福留孝介外野手(43)が29日、ウエスタン・リーグの中日戦(鳴尾浜)で猛虎でのラストゲームに臨んだ。「3番左翼」でフル出場し5回に適時打を放つと、守備でも初回に追加点を阻止する補殺を記録した。「僕の中ではこのユニホームを着てプレーするのは最後だという思い」と話し2013年から8年間プレーした猛虎に別れを告げた。

 猛虎を支えてきた福留にとっては、あまりに寂しい「ラストゲーム」だった。無観客の鳴尾浜……。ウエスタン・リーグの今季ホーム最終戦で、左翼を守っていた福留は中堅・江越が勝利を決める飛球を捕球したことを確認すると穏やかな笑みを浮かべ、ハイタッチの列に加わった。

 「僕の中ではこのユニホームを着てプレーするのが最後だという思いで(平田2軍)監督にお願いして最後まで守りも就かせてもらった。すごくうれしく、楽しくできた」

 きょう30日からの福岡・筑後遠征には同行せず、昇格予定もない。結果としてタテジマでの最後を全力で戦った。まずは守備で魅せた。初回2死二塁から藤井の左前打を素早く処理すると本塁へワンバウンドでストライク送球。二塁走者・石垣の生還を阻止し追加点を許さなかった。打撃では三振、投ゴロで迎えた5回2死二塁、浜田智のスライダーを一、二塁間にはじき返す右前への適時打で3点目を叩き出した。

 「また日本でプレーする機会を頂いて。優勝とか、本当にたくさんいるファンの方々の夢でもあったでしょうし。それをできなかったってことは申し訳ないとは思います」

 メジャー帰りの13年から阪神でプレー。猛虎の8年間で734安打、89本塁打、410打点を積み重ねた。ここぞの勝負強さとリーダーシップでチームをけん引し続けてきた。リーグ優勝は果たせなかったが「僕自身は本当にこのタイガースで8年やらせてもらったというのがすごくいい経験だと思うし、財産」と感謝した。

 チームのルールを破る会食で新型コロナウイルス感染者を出し、自身も球団判断で濃厚接触者扱いとされ9月25日に出場選手登録を外れた。以降、1軍の舞台に戻ることはかなわなかった。

 「(プロで)20何年やってきたこの野球というものは、自分の人生なんで。悔いを残して終わりたくもないし今までずっとチャレンジすることをやってきて、ここにきてそのチャレンジする気持ちをなくさないように」

 今後は他球団での現役続行を目指し、トレーニングを続ける。「自分がもういいやって思ったら終わり。でもまだまだと思っているうちは挑戦し続けたい」。タイガースとの別れは、新たな挑戦への始まりになると信じたい。(阪井 日向)

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