阪神・福留 来季構想外…引退勧告、コーチ就任要請もなし 本人は現役続行の意思、他球団移籍を模索

[ 2020年10月22日 05:30 ]

<ウエスタン オ・神>練習中スタンドの関係者にあいさつする福留(撮影・後藤 正志)
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 阪神の福留孝介外野手(43)が来季の戦力構想から外れ、球団から引退を勧告されていることが21日、わかった。19日に契約を更新しないことを通告されたものの、現役続行を希望。自由契約となって他球団への移籍を模索する。この日はウエスタン・リーグのオリックス戦に出場した。入閣やコーチ就任要請もなく、昨年の鳥谷に続き、球界を代表するレジェンドが猛虎に別れを告げることになった。

 猛虎をけん引してきた福留が今季限りでタテジマを脱ぐことが決まった。19日に、球団から来季契約を結ばないことを通達された。関係者の話を総合すると会談は短時間で終了。突然の“戦力外通告”は、チームに大きな動揺と衝撃が走った。

 約3カ月遅れの開幕となった今季はコロナ禍の影響を受けた。若手との世代交代が進む中で出場機会は激減。先発出場は15試合にとどまり、ここまで43試合で打率・154、1本塁打、12打点と低迷していた。

 9月19日に名古屋市内で会食した参加者が新型コロナウイルスに感染し、球団独自の「濃厚接触者扱い」となったことで同25日に出場選手登録を抹消されている。来年で44歳という年齢に加えて球団が激怒した「最大4人まで」という球団内規を破る8人での会食が戦力外通告に拍車をかけた可能性もある。

 阪神4年目の16年6月25日の広島戦では日米通算2000安打を達成した。その実績に加えて、大リーグや日本代表など国際舞台も経験。17年からの2年間は主将を務めるなど、強いリーダーシップで精神的支柱としてチームをけん引してきた。球団は将来の監督候補の一人として期待していた。

 しかし今回の通告ではコーチ就任の要請などはせず、進退は本人にゆだねたもようだ。すでに福留は不完全燃焼の今季を踏まえて近しい関係者に現役続行の意思を伝えており、今後は自由契約となって他球団への移籍を模索する。

 この日はウエスタン・オリックス戦に「5番・DH」で先発し、4打数無安打も8回表の打席まで出場した。他球団からのオファーが無ければ現役引退するしか道は残されていないが、球界最年長選手は若手に交じって汗を流し、21年度もプレーする準備に必死だ。この日は球団からの発表はなく、福留自身も口を開くことはなかった。現時点では1軍昇格の可能性や、引退セレモニーの予定もなく、2軍のまま退団する可能性も高い。球界を代表するレジェンドにとっては、あまりにも寂しい猛虎での最後となりそうだ。 (山本 浩之)

 ◆福留 孝介(ふくどめ・こうすけ)1977年(昭52)4月26日生まれ、鹿児島県出身の43歳。PL学園3年の95年ドラフトで7球団から1位指名を受けたが、交渉権を得た近鉄を拒否して日本生命へ。98年ドラフト1位で中日入団。02年に首位打者、06年はMVPと2度目の首位打者に輝いた。07年オフにFAでカブスに移籍。13年に阪神で6年ぶりに日本球界に復帰。最高出塁率3度、ベストナイン4度、ゴールデングラブ賞5度受賞。1メートル82、92キロ。右投げ左打ち。

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