オリのエースが1球に泣いた…山本、7回2失点も最多勝はほぼ絶望的

[ 2020年10月20日 21:27 ]

パ・リーグ   楽天2―2オリックス ( 2020年10月20日    楽天生命パーク宮城 )

<楽・オ>6回2死一、三塁、浅村に適時二塁打を許して悔しがるオリックス・山本 (撮影・白鳥 佳樹)
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 完璧に打たれた打球なら、まだ諦めはつく。山本は確かに、その“勝負”に勝っていた。1点リードの6回2死一、三塁。打席に迎えた浅村を、前の打席で3球三振に仕留めていた。カウントは3―0。149キロのストレートに、鈍い打球音を残した一撃は右翼へ上がった。完全に詰まった当たり。俊足の小田が懸命に前進する。差し出したグラブの先で、白球は弾んだ。2者の生還を許す適時二塁打。にじんだ視線の先で、逆転を示す「2」がスコアボードに刻み込まれた。

 「きょうは調子自体は良かったですし、立ち上がりから、しっかり自分らしいボールが投げられていた」

 7回2失点の降板後、マウンドと同じ冷静な顔で背番号18は振り返っていた。5回まで被安打1。9つの三振を奪い、ほぼ完璧な内容だった。則本昂とのエース対決。自身最多となる9勝目がかかった登板で、十分に本領は発揮できていた。

 「6回は味方が先制してくれた直後のイニングだっただけに、何とか勝負どころで抑えたかったし、逆転を許して悔しい」

 1点ビハインドの9回、伏見が左中間へ6号ソロを放ち、山本の黒星は消えた。ただ、残り試合を考えれば、11勝を挙げている涌井(楽天)との「3差」を追いつくのは絶望的だ。試合は2―2の引き分け。1球の怖さ、重みをかみしめ、オリックスのエースは球場を背にした。

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