西武・高橋朋己という男 勝利確信させた「トモミー♪」大合唱 野球人生は「太く短く」

[ 2020年10月20日 14:35 ]

西武の高橋朋
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 西武は20日、育成契約の高橋朋己投手(31)が、今季限りで引退すると発表した。

 西武ファンは、あの曲が球場に流れると勝利を確信した。15年のシーズン序盤。登場曲だったE―Girlsの「Follow Me」に乗り守護神・高橋朋がマウンドに向かう。「フォロミー♪」のフレーズを、左腕の名前「トモミー♪」に替えた大合唱が起こった。「自分のことをあんなに応援してもらい、本当に嬉しい。幸せです」と語っていた。

 プロ野球史上初の開幕戦から4試合連続セーブ。当時西武担当だった記者は「絶頂期」に立ち会った。社会人野球の西濃運輸出身で礼儀正しく、明るい雰囲気も持ち合わせている。カラオケではピンク・レディーの「サウスポー」を「私、西武のサウスポー♪」と替え歌にして、チームメートを楽しませていた。

 14年オフの契約更改で年俸が2000万円アップした際は「漫画の大人買いをします。(中古本チェーンの)ブックオフに行きます!」と宣言。15年オフに2300万円アップすると「ユニクロでの爆買い」を使い道に挙げた。プロ野球選手らしからぬ、庶民的な「自分へのご褒美感覚」に好感を抱いたのを覚えている。

 ユニクロで購入希望したのは「ウルトラライトダウン」。当時の「6990円+消費税」であれば、昇給分で約3000着購入することができる計算を勝手にした。実際に、埼玉県狭山市のユニクロベスタ狭山店で同店商品の贈呈式に臨むイベントもあり、楽しく取材させてもらった。

 サイドスローに近いスリークオーターから剛球を投げ込む。肘、肩への負担は相当なものだったと思う。野球人生を「太く短く」と語っていたが、16年以降に故障が続いたのは本当に苦しかったと思う。16年に担当を外れるあいさつをしてからは、陰ながら応援してきた。本当にお疲れさまでした、とこの場を借りて伝えたい。(14、15年西武担当・神田 佑)

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