牛島和彦氏 中日・大野雄、力投しないのが無失点継続の理由 打たせて取る意識で球数少なく

[ 2020年10月14日 22:22 ]

セ・リーグ   中日3―0阪神 ( 2020年10月14日    ナゴヤD )

<中・神>力投する中日先発の大野雄(撮影・平嶋 理子)
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 【牛島和彦 視点】112球で今季5度目の完封勝利を飾った大野雄。力投しないのが36イニング連続無失点につながっている。象徴的だったのがデビュー戦となった高卒ルーキー、井上に対する投球だ。

 以前の大野雄だったら真っすぐで力の差を見せつけようとしたに違いない。ところが、2回2死一塁で迎えた最初の打席では4球フォークを続けて空振り三振。5回2死無走者では初球フォークで見逃しストライクを取ったあとの2球目、低めの真っすぐを打たせて一ゴロ。8回先頭の第3打席は初球ツーシームで見逃しストライクを取り、2球続けてフォークを振らせて空振り三振。3打席でしめて9球、真っすぐは1球しか投げなかった。

 井上だけじゃない。全体的に真っすぐが少なく、ツーシームとスライダーで打たせて取る投球。1回9球、5回4球、7回7球、8回9球と球数1桁の回が4イニングもあった。力を入れて真っすぐで三振を取りにいくより、打たせて取る。その意識がフォームの突っ込みをなくして球離れを遅らせ、打者のタイミングをずらす。それが球数が少なくし、完封につながっている。(スポニチ本紙評論家)

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