菅野止めたぞ! 広島・松山 先制点演出&値千金の適時打 石原慶の助言通り積極性見せた

[ 2020年10月14日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4-3巨人 ( 2020年10月13日    東京ドーム )

<巨・広(19)>4回無死一、二塁、適時打を放つ広島・松山 (撮影・白鳥 佳樹)
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 広島は13日の巨人戦に4―3で逃げ切り、開幕13連勝中の菅野に今季初黒星を付けた。4番・松山竜平外野手(35)が難敵攻略にひと役買った。2回に右翼線二塁打を放って先制のホームを踏むと、1点優勢の4回には中前適時打だ。投げては九里亜蓮投手(29)が8回1失点の好投で6勝目。チームの連勝は3に伸びた。

 開幕から向かうところ敵無しだった菅野に今季初めて黒星を付けた。チーム一丸で粘り、食らいつく。今季4度目の対戦でようやく一矢報いた朝山打撃コーチは「ずっとやられている。簡単じゃないけど、一丸で引きずりおろした」と笑顔で安どの息をついた。

 4番・松山が難敵攻略にひと役買った。先頭打者の2回、カウント2―2からの内角スライダーを「うまく反応できた」と自画自賛の右翼線二塁打。先制のホームを踏むと、4回無死一、二塁でも持ち味を発揮し、菅野攻略の手本を見せる。

 「追い込まれると厳しい。ボールを見るんじゃなく、積極的に打っていくのが一番」

 その言葉通り、敵のエースが投じた初球、外寄り甘めの139キロフォークを捉えると、痛烈な打球は中前に抜けた。貴重なタイムリー。さらに坂倉の一ゴロが敵失を誘って3点目を挙げ、菊池涼がとどめを刺す右翼線適時三塁打を放った。

 松山にとっては“自分らしさ”を体現する初球打ちだった。12日に石原慶が今季限りで現役引退を発表。不振に苦しんだ時「松っちゃんはどんどん振っていくタイプ。良さを忘れないように」と諭してくれたのがベテランだった。感謝、寂しさ…思いは募る。

 「やっぱり寂しい。結構お世話になっているし、新井(貴浩=本紙評論家)さんの引退後は精神的支柱でもあった。ボクらしい打撃をして、石さんの最後(11月7日、阪神戦で引退セレモニー)は勝って送り出したい」

 意地や惜別の情などが難敵攻略となって結実したカード初戦の逃げ切り勝ち。佐々岡監督は「甘い球を仕留め、つながりのある攻撃をしてくれた。松山が4番でいい仕事をしてくれた」と表情を緩めた。これで3連勝。独走巨人との3連戦、菅野に黒星を付けただけでは終わらせない。  (江尾 卓也)

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2020年10月14日のニュース