阪神・球児 “御礼登板行脚”へ15日にも1軍昇格案 引退試合は火の玉生んだ宿敵・巨人戦に

[ 2020年10月14日 05:30 ]

ガルシア(左)と談笑する藤川球児(右)=鳴尾浜球場 (代表撮影)
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 阪神は13日、NPBが追加日程として発表した11月10日の巨人戦(甲子園)で藤川球児投手(40)の引退セレモニーを行うことを発表した。今季最後の伝統の一戦で、しのぎを削ってきた宿敵相手に希代のクローザーが現役生活に終止符を打つ。15日にも再昇格する可能性が高まり、全国のファンに“御礼登板”を行っていく。

 絶対守護神との別れにふさわしい最高の舞台が用意された。甲子園で行われる今季最後の巨人戦。引退セレモニー開催の発表を受け、藤川は自らの投球でファンへ恩返しする姿を強く思い描いた。

 「その日、感謝を伝えられたら。感謝を伝えられたらというか、プレーでというのもありますし、(ファンに)何かを感じてもらえるような場になれば。場にしなければいけないかなと思います」

 登板の有無は未定でも、相手を見れば闘志はたぎる。「たまたまそういう流れになりましたけど、(巨人とは)良い戦いをしてきた。数字的にも一番良いんじゃないかと。チームとして戦ってきた数字が僕の数字」。球団別では最多の143試合に登板し、同一リーグではトップの通算防御率2・10、最多222奪三振、46セーブ、25ホールド。伝統の一戦が特別だったことは明らかで、真っ向勝負を挑んできた「あるべき」姿を最後まで貫く覚悟だ。

 「11・10」までにやるべきことも残っている。8月中旬に右上肢のコンディション不良で出場選手登録を抹消され再調整に努めてきた。試合後、矢野監督は「投げられるように球児自身もやってくれているんで、どこかで上げようかなと思う」と示唆したようにあす15日にも1軍合流する可能性が高まった。本拠地だけでなく名古屋、東京、横浜、広島の遠征先で登板することで全国のファンに「感謝」を伝える構えだ。

 「(状態としては)続けて仕事するには手術しなければいけない。1回登板すれば、その分、回復しきらない。でも最後、何とかね。ファンの方に登板しているところを。その日にしか来られないファンの方にお見せできたらなと」

 2軍降格後、唯一の実戦登板となった10月1日のウエスタン・リーグ、オリックス戦では1回1安打無失点。最速は147キロだったが「1日でも早く復帰できればと思って調整しています。打者1人かもしれないけど、そういう姿を見せられたら」と前を向く。伝えたいモノ、伝えなければいけないモノを胸に“戦場”へ戻る。

 「どんな状況に置かれても前向きにチャレンジして。そこで、もし何か伝わるものがあれば」。背番号22は“最後の1カ月”を全力で駆け抜ける。 (遠藤 礼)

 【藤川球児の今季】
 ★6月25日 ヤクルト戦9回、西浦に逆転サヨナラ3ランを被弾。
 ★27日 DeNA戦で今季初セーブ。
 ★7月9日 甲子園開幕戦の巨人戦で2セーブ目。日米通算250セーブへあと5とする。
 ★11日 DeNA戦で救援に失敗し2敗目。翌12日に右肩のコンディション不良で登録抹消。
 ★23日 出場選手再登録。
 ★13日 右上肢のコンディション不良で2度目の登録抹消。
 ★31日 今季限りの現役引退を発表。
 ★9月1日 西宮市内で引退会見。コンディションが整わず「プロとして失格」も、入団時に宣言した「3度目の優勝」を最後まで諦めないことを改めて示す。

 《プレミアチケット必至》甲子園で開催されることが決まった11月10日巨人戦(9月6日雨天中止分)、同11日DeNA戦(10月9日雨天中止分)の入場券を年間予約席契約者および公式ファンクラブ会員への先行発売ののち、27日から一般発売すると発表した。インターネットでの販売に加え、同30日からは甲子園でも販売される。巨人戦は今季限りで引退を表明している藤川の引退セレモニーが予定されており、多数の購入希望者が予想される。

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