阪神・小幡 コロナ禍“吹き飛ばす”プロ初の決勝打 木浪離脱後、3試合連続遊撃スタメン

[ 2020年9月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神9-3ヤクルト ( 2020年9月27日    神宮 )

<ヤ・神(18)>3回2死満塁、小幡は遊撃適時内野安打を放ち、雄たけびをあげる(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は27日にヤクルトで打線が爆発し、連敗を3で止めた。敗れると勝率5割、そして3位転落だった一戦で躍動したのは高卒2年目の小幡竜平内野手(20)だ。3回2死満塁で遊撃への内野安打でプロ初の決勝打を記録。新型コロナウイルスの集団感染で濃厚接触者扱いと認定された木浪が離脱した遊撃で、3試合連続スタメン出場した新星が勝利に貢献した。

 新型コロナウイルスの集団感染、そして外部からの情報伝達疑惑による審判と矢野監督による口論。猛虎に立ちこめていた嫌な雰囲気を、弱冠20歳の小幡が振り払った。

 「四球だったり、つないでくれたので、自分もそれに乗って、どんどん後ろにつなごうという気持ちで打ちました」

 2―2の3回、2死満塁。1ボールから吉田喜のカットボールをたたきつけた。高いバウンドとなった打球が投手の頭上を越える間に快足を飛ばして一塁ベースを駆け抜けた。遊撃への適時内野安打で勝ち越しに成功。試合前まで得点圏で10打数5安打4打点だった勝負強さをこの日も発揮し、プロ初の決勝打を記録した。

 これだけでは終わらない。3点リードの7回2死一、二塁から左腕・長谷川の145キロ直球を完璧に捉え、中前打でチャンス拡大。「ベンチに帰ってきたときに井上さん(打撃コーチ)に『上がってきて一番良い当たり』ってイジってもらった。あの場面でしっかり2本目を出せたのはすごく大きかったです」とうなずいた。

 複数選手が新型コロナウイルスに感染し、正遊撃手の木浪も濃厚接触者扱いで離脱。その25日から小幡は3試合連続で遊撃でスタメンに名を連ねている。「先発で出るからにはしっかり思い切ってやるだけなので、そこだけはなくさないように意識してやっています」。未曽有の事態でも、高卒2年目の若武者にとっては大きなアピールの好機だ。

 「少しずつではありますけど、9回を通して周りが見られるようになってきた」

 矢野監督も「うまくいかないこともあるし、今日みたいにうまく出てくることもある。そこから成長していってくれたら」と目を細めた。8月21日の昇格から1カ月あまり。苦境の虎において、少しずつ存在感が増してきた。(阪井 日向)

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