オリックス・田嶋 3年目のプロ初完封「めちゃくちゃ疲れました いい経験」

[ 2020年9月17日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス2―0楽天 ( 2020年9月16日    ほっともっと神戸 )

初完封した田嶋(左)は捕手の伏見 とハイタッチ(撮影・平嶋 理子)                                                    
Photo By スポニチ

 最後の打者、鈴木大の飛球が安達のグラブに収まるのを見届けたオリックス・田嶋は控えめに左手を上げ、喜びを表現した。女房役の伏見がマウンドに駆け寄り、ハイタッチ。頭を2度、3度、ポンポンと叩かれると、ようやく笑顔をのぞかせた。

 「めちゃくちゃ疲れました。プロで完投する凄さっていうのが、初めて完投して分かりました。投手としていい経験になりました」

 過去、8回が最長だったが、ついに壁を突き破った。しかも、二塁を踏ませない2安打でプロ初完封のおまけつき。前回、9日の西武戦で自己ワーストの2回9失点した時とは別人だった。中嶋監督代行も「全く違う、いい田嶋でした」と最大級の賛辞。チームとしても今季76試合目での初完封だった。

 田嶋が生まれた1996年は、チームが最後の優勝を飾った年。そのリーグ優勝を決めた神戸で、ブルーウェーブの復刻ユニホームを着て、自身のメモリアルゲームを飾った。

 17年ドラフトで競合抽選の1位。社会人No・1左腕の呼び声はたかかったが、この試合を含め3年間で11勝は、まだ本領発揮とは言えない。24歳のシーズンを迎えるにあたり、今年正月には厄よけで有名な関東近辺の神社で厄よけ祈願を行った。「やれることは何でもやろうと思った」。勝負の3年目にかける意気込みは強かった。

 今季は、好投を続けながらも勝ち星に恵まれていなかった。白星は7月4日の西武戦以来10試合ぶりだ。指揮官は「援護できてなかったので、きょうも2点だったですけれど。こういう形で援護できたのはよかったので、次からはもうバンバンいってもらいたいですね」と、この投球を機にひと皮むけてくれることに期待していた。(田中 貴久)

続きを表示

2020年9月17日のニュース