阪神・大山 意地の2点本塁打 20号大台へあと1本

[ 2020年9月17日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6―7巨人 ( 2020年9月16日    東京D )

9回1死一塁、大山は左越えに2ランを放つ(撮影・坂田 高浩)
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 意地は見せた。眠っていた猛虎打線が終盤に牙をむいた。7点劣勢の8回に4点を返し、さらに9回。巨人を追い詰めるアーチを左翼にかけたのは、大山だった。

 「しっかり自分の良いスイングができたと思います」

 9回1死一塁で迎えた第4打席。2ボールから守護神・デラロサの内角高めにきた直球を仕留めた。快音を響かせた打球が、ライナーで左翼スタンド席に弾む。20号の大台まであと1本に迫る19号2ランで1点差まで追い上げても、ダイヤモンドを一周した背番号3に笑顔はなかった。

 猛追の口火を切ったのも、大山だった。先発・田口に対して7回まで1安打。初回先頭の近本が右前打して以降、8回先頭のサンズまで21打者連続で凡退していた。前日の自力優勝消滅に続き、これ以上、無残な姿をさらすわけにはいかない。1ストライクからの2球目。真ん中低めの変化球を捉えると、左前で弾むチーム2本目の安打となった。

 諦めない。ボーアの死球と陽川の左前打で満塁。代打・中谷が左越え2点二塁打を放つと、代打・江越に対して巨人は2番手に右腕の田中豊を登板させた。すかさず、ベンチは代打の代打となる木浪を起用。カウント1―2と追い込まれながらも、フォークを右中間へ運んだ。2点適時二塁打となり、この回一挙4得点。「ベンチにいるときからずっと準備をしていましたし、打つことができて良かった」。7月30日ヤクルト戦以来となるスタメン落ちにも、結果を残すことだけに集中していた。

 敗れはしたが、デラロサ、中川の勝ちパターンの投手まで引きずり出した意義は大きい。矢野監督は敵地初勝利へ「ずっと、それ(目の前の試合に勝つということ)しかないんで。やりきります」と力を込めた。諦めない。白旗をあげるには、まだ早すぎる。(阪井 日向)

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2020年9月17日のニュース