阪神・陽川 「一番の感触」“ゴリラパンチ弾”でご褒美バナナもゲット! 執念の矢野采配実り4連勝

[ 2020年9月14日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神7―6広島 ( 2020年9月13日    甲子園 )

<神・広(17)> 8回2死、陽川は勝ち越しソロを放ちバナナを受け取る (撮影・後藤 大輝)
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 ゴリラパンチがさく裂した!! 阪神は13日の広島戦で同点の8回に、陽川尚将内野手(29)が決勝の3号ソロ。もつれにもつれた7―6の打撃戦を制した。チームは4連勝で、今季最多の貯金「4」。15日からは勢いMAXで東京ドームに乗り込み、9・5ゲーム差の首位・巨人にぶつかっていく。

 甲子園のスタンドに黄色いメガホン…ではなく“バナナ”が揺れていた。6―6の8回2死走者なし。陽川が外角シュートをバックスクリーン右へ決勝の3号ソロ。ファンは今季から発売中の「バナナフェイスタオル」を掲げて喜びを爆発させていた。

 「打った瞬間にいったと思った。今までの本塁打(通算15本)の中で一番、感触がよかったかなと思う。ランナーなしだったので、長打でチャンスメークしたいなと思っていた。本塁打になったので、よかった」

 8回途中から一塁守備に就き、裏の攻撃で回ってきた初打席。狙っても許される場面での期待通りのパフォーマンス。ベンチに戻ると恒例のゴリラパンチを披露し、江越からはご褒美のバナナがプレゼントされた。

 お立ち台でも「試合前にバナナを食べたんで、それが力の源になったかなと思います。(タオルを持っているファンを見ると)力になります」とバナナトークで盛り上がった。

 グラウンドを離れると、頼れる兄貴分として面倒見が良い。昨秋キャンプでは大山、木浪を食事に連れ出し「好きなもんを好きなだけ食べろよ」。立場に関係なく、後輩の話を何時間も親身に聞く。グラウンドではこわもてだが、優しい顔とのギャップも魅力だ。

 チームは4連勝で、貯金は今季最多の4。首位の巨人も7連勝で9・5ゲーム差は詰められなかったが、15日からは今季6戦全敗の東京ドームに乗り込み3連戦に挑む。3回に大山にバントを指示し、藤浪を4回途中で早々と降板させ、守護神のスアレスにはイニングをまたがせるなど執念の采配を連発して接戦をものにした矢野監督は、「勝ってジャイアンツ戦に行きたかったので」と最後の決戦の意気込みを示した。

 前回の東京ドームでは3戦すべて零封負けの屈辱を味わった。今回のカードも一つ負けた時点で自力優勝の可能性が消滅する、まさに土俵際。まだ「奇跡」や「夢」を語るには早いが、トラの意地は見せたい。 (長谷川 凡記)

 《13連戦勝ち越し》阪神は今季最長の13連戦を7勝4敗1分け(中止1)で終了。期間中は1点差試合が7度あり5勝2敗。ちなみに1度の引き分けを含む延長戦も2度あった。過密日程の今季は、15日から9連戦、29日からは再び13連戦が控えている。また、阪神は15日からの巨人3連戦で1敗または2分けした時点で自力優勝の可能性が消滅。13日にDeNAの自力優勝が消え、15日に阪神が敗れると巨人に優勝へのマジックナンバー38が初点灯する。

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