森繁和氏 先制されれば命取り…巨人・菅野の目先変え続けた“覚悟”の投球

[ 2020年9月9日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―0中日 ( 2020年9月8日    ナゴヤD )

森繁和氏
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 【森繁和 視点】お互いに持ち味を生かした投手戦。序盤は大野雄の方が内容が良かったが、菅野は引き出しが多い。唯一のウイークポイントともいえる立ち上がり。豊富な球種を惜しみなく使って乗り切った。

 初回、先頭の大島から1球目、2球目は必ず違う球種を投げて目先を変えていた。2回も同様。初球打ちの阿部と投手の大野雄以外は、同じ球種を2度は続けなかった。バッテリーで決めていたのだろうが、本来は試合の中で「今日はどの球種がいいか」と探っていくもの。恐らくその作業をブルペンで済ませて試合に臨んだのだろう。投手戦は予想できただけに、先制点を与えるのは命取り。「序盤をゼロに」の覚悟がにじみ出ていた。

 2回2死一、二塁を切り抜けるなど立ち上がりを乗り切れば、菅野の投球の「ピント」が合う。徐々に調子を上げていったのは必然だった。対照的に最大の武器である直球を続け、力で押していった大野雄。細かい制球は気にせず、直球でファウルが取れるのが好調の要因だ。敗れはしたが持ち味は存分に発揮していた。(スポニチ本紙評論家)

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